- 取引先の社長から『営業マンとしてウチの会社で一緒に働かないか』という誘いを受けている。
- 見ず知らずの会社からヘッドハンティングを受けている。
- このような誘いは受けても良いの?
- 私も取引先から事務・経理で働かないか誘われている。
- 私は外資保険会社からヘッドハンティングを受けているけど、話を聞いたところ結構大変そう。
このような会話聞いたことありませんか?銀行員をやっていると、顔見知りの取引先から転職の打診を受けることもあれば、どこで接点があったのか分からないけどヘッドハンティングを受けるケースがあります。
現在の職を変えるということは、大変勇気がいることです。どのように体操すれば良いか確認していきたいと思います。
取引先から誘われるケース
銀行員をやっていると取引先の社長や人事担当者から一緒に働かないかという打診をされるケースがあります。
- うちの会社で営業の最先端なり仕事のフローを管理する部署で働いてみないか?
- もしうちの会社に来てくれるのなら、経理担当・財務部の重要ポストとそれなりの好待遇を用意するぞ。
一例ではありますが、取引先より声がかかる時は、割と良いポストでの打診があります。そして、主に次のような理由が銀行員の評価を挙げていると考えられます。
- 銀行員ならではの汎用性や数字に対する強さ、高い信用力を見込まれている。
- 普段の仕事ぶりを見てるから、戦力として計算できる。
普通に転職活動をする場合においても、銀行員が係数面や信用力に関しては他業界出身の人物より強いという評価は変わりません。
『係数面は経営陣が持っていれば良く、現場は営業力を活かしてほしい。係数面と信用力が営業力にプラス作用することがあるのか』『銀行員が持っているスキルは銀行でしか通用しない』あるいは『銀行は独特の文化があり普通の会社では通用しない』という銀行員に対する消極的な考えがあるとの声も一部にあります。
しかし、『通常の転職活動』と『取引先への転職』を比較すると、『取引先への転職』に対する難易度が単体で低いわけであり、『通常の転職活動』の難易度が高いわけではなく、むしろ他業種からの転職活動と同様、難易度に変わりはありません。
では、なぜ取引先には欲しがられるのか。その理由として、係数面・信用力の強さに加え、銀行員として普段の仕事ぶり・人物像・営業力などを間近で見ているからです。
転職市場というものは、採用する企業が高いコストをかけ書類選考や数回の面接でしかその人物を見抜くチャンスがありません。その一方で、取引先からすれば普段の仕事ぶりを見ることで書類選考や数回の面接で得られるより圧倒的に多い情報を掴んでいるので、採用後のイメージがしやすく、銀行員に転職の打診を持ち掛けてくるのです。
取引先に入社するメリット・デメリット
取引先に入社するメリットは、事前にその企業のことを深く知った上で入社できる点にあります。経営者としても、銀行員を採用するならではの化学反応を期待していますので、ご自身の役割をしっかりと認識し、是非とも期待に応えられるよう頑張ってください。
このデメリットの対策として、一つ目はしっかりと転職活動をやりきることです。取引先に入社することに前向きでも、転職支援サービスに登録しましょう。
ご自身の転職市場での評価の確認や、一通り転職候補先を確認することで、取引先からのあなたに対する待遇等が妥当なものか、もっと向いている業種・職種が無いか確認した上での転職となるため、ひょっとしたらもっと好条件の転職先があったのではとかもっと向いている仕事があったのではないか?という後悔は防げるでしょう。
二つ目は、円満退社を心掛けることです。いや、心掛けるではなく、徹底してください。
それでも個人的に取引先への転職を悪く思う人がいるとすればそれは仕方がないことです。転職することで好待遇となれば、やっかみを買う可能性があります。それは人間である以上仕方がないことです。
ご自身ができる最大限の円満退社をした上でやっかみを受けるなど転職先で働きにくくなるような仕打ちをされるとしたら、そのような銀行は取引銀行として失格です。事情を正直に話し、取引銀行を他行に変えるよう打診しましょう。
ヘッドハンティングについて
ヘッドハンティングとは、要するに引き抜きです。銀行で勤めていると、転職するしないは別としてヘッドハンティングされる人は多くいます。
実際私自身もヘッドハンティングされたことは何度かあり、手法としては次の通りでした。
ヘッドハンティングは特定の個人名指しで来るものですので、どこかしらで『優秀な人物はいないか?』という情報交換が行われているものだと考えられます。
そのどこかしらとはどこかというと、ひょっとすると銀行内部の人がヘッドハンティングの担当者と繋がっているのかもしれませんし、はたまた顧客と繋がっているのかもしれません。
配属先と氏名を把握しているとすれば、おそらくこの2つが情報源ではないかと考えられますが、ヘッドハンティングでは個人の情報をどこで掴んだのかは徹底して教えてくれません。
一つ言えるのは、誰かがヘッドハンティングの対象となったあなたのことを優秀であると評価していることであり、そこは自信を持って良いかと思います。
以下、私が受けたヘッドハンティングの中でも面白かった例を1つだけ挙げます。
- 何度か面談したことがある取引先の社長が『この会社は就職しない方がいいよー』、『この会社は大変だよー』と、明らかに不自然な発言を連呼していた。
- 商談後、取引先の会社を出た後、会社から貸与されている携帯電話に社長が先ほど連呼していた会社よりヘッドハンティングの連絡があった。
このようにリーク元がバレバレなケースもあるんだなと思いました。
ヘッドハンティングの進み方
ヘッドハンティング担当者と最初の連絡を取ったら、次は喫茶店など職場外で会うことが多いかと思います。すでにその時点で選考は始まっているとのことです。そこで、仕事内容や待遇など説明を受け、その後またヘッドハンティング担当者と面談したり、実際に起業採用担当や役員と面接します。ヘッドハンティング=即採用決定ではないので、そこは勘違いされないように。
ヘッドハンティングのメリット・注意点
メリットとしては、ご自身のキャリアの軌道修正のチャンスです。キャリアアップとなればその分弊害もあるかもしれませんが、そのバランスを見極め、チャンスと見ればヘッドハンティングに乗るのも手です。
これについて一番注意が必要なのが、2つ目の詐欺被害があるということです。それは採用目的ではなく、退職させることが目的=採用の事実は無いヘッドハンティングが実際に存在しています。
どういうこと?となると思うので説明しますが、競合企業にとってあなたの存在が脅威である場合、あなたを退職させるだけで競合企業にメリットがあります。あるいは、社内であなたのことを良く思っていない、蹴落としたいと思っている人が仕向けるケースもあります。
現在の職場を退職すれば、たとえ詐欺案件だとしても、一度と退職した職場へは戻れません。
そのヘッドハンティングが間違いのないものか、しっかりと見極めましょう。
オススメは転職支援サービスを利用した転職
オススメはリクナビ、マイナビ転職、DUDAなどの転職支援サービスを活用して転職することです。
他にも転職支援サービスを活用するメリットは多くありますが、やはり上記「2.3.4」の通り、担当コンサルタントが付くことに一番のメリットがあります。
ご自身で取引先への転職やヘッドハンティング転職をするにあたって、ご自身の評価が思っていたより低くても対抗する術がありません。あなたの良いところを網羅した根拠を提示しても、それは主観的データであり、あくまでも評価するのは企業です。
評価を高めるには転職先企業の求める能力に合わなければ意味はありません。あなたが持ち合わせた様々な能力を総合的に判断され、60点と評価されたのであれば、それが事実です。
転職支援サービスを使うことによって、あなたを客観視したコンサルタントがあなた自身では気付けなかった新たな長所・強みを教えてくれるかもしれません。そうすれば、転職先業種・企業候補の裾野を拡げる提案にも繋がるでしょうし、より適性に合った転職先に巡り合えるでしょう。
転職活動当初想定した企業への転職になるかもしれませんが、それはあなたの適性を十分吟味した上で巡り合えた企業です。転職支援サービスを活用することでミスマッチを防ぐこと・ひいては将来的な条件面の成長にも期待できます。
銀行員の転職先事例
銀行員によくある転職先、オススメの転職先は次の通りです。
- 市役所、警察官、消防士、その他公務員
いつの時代も公務員人気は変わらず、公務員試験に合格し銀行を退職する方は毎年一定数います。学生時代からの志しで、銀行在職中も継続して試験を受けている方も多くいます。中には、公務員試験に専念するために、退職を決意する人もいます。
- 証券会社、保険会社の営業職
銀行員時代の投資信託・保険販売経験から転職先として選ぶ人がいます。多岐に渡る銀行業務の中でも投資信託・保険販売が得意であった人にとっては、転職することで得意を専門にすることができます。
- 一般企業の経理担当
銀行員時代に培った係数面の強さを買われ、経理担当になるケースも多くあります。
- 行政書士、司法書士、不動産業界(宅建)、ファイナンシャルプランナー
志高い方は銀行員在職中に勉強し、資格取得後転職する人もいます。銀行によっては、銀行業務に活かせる公的資格取得奨励制度がある所もあり、資格取得することで奨励金がもらえる銀行もあります。どうせなら奨励金をもらって退職しましょう。
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