銀行員としてそれなりの待遇を受けるためには出世するのみです。だけど、若手銀行員からはこのような声が聞こえてきます。
- 資格とか試験の勉強とか、もう大変ーーー!!!
- 人事考課で良い評価をつけてもらったからいけるっしょ!ていうかこのチャンス逃したらやばいっしょ!
- 面接苦手なんだよなー(--〆)
銀行での出世はいわゆる年収アップのチャンスです。ですが、そのチャンスをまるでピンチのようにとらえているような行員は結構います。今回は銀行で出世するためのポイントや対策などを考えていきたいと思います。
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出世の階段
銀行の出世は次の通りです。
一般行員 → 主任 → 係長 → 支店長代理 → 次長・副支店長 → 支店長
銀行によってその肩書はまちまちですが、だいたいこんなところです。
支店長より上に行くと、次の通りです。
支店長 → 部長 → 役員 → 頭取
本部の部長であったり、更にその上は役員という経営陣になります。
銀行の出世レースは長く、険しく、そして時に理不尽です。
昇格判断材材料
- 役職別最低経験年数
- 検定試験・資格試験
- 人事考課
これらを意識して銀行員生活を送ると、スムーズに最短距離で昇格することができるはずです。
役職別最低経験年数
最近では実力主義に舵を取り、若くしても出世できる銀行が増えてきてはいますが、もとはと言えば銀行という組織は公務員と並び『年功序列社会』の象徴です。
どんなに実力があっても、優れた資格を持っていても、評価が良くても、基本的には各役職の最低経験年数を経過していない限り、昇格することはできません。
- どうせ頑張ってもあと2年は出世できないからいいや~
- 昇格直前だけ頑張るか~
このように考える人も中にはいるかもしれませんが、その考えはやめてください!!
最低経験年数は銀行の昇格要件で最低要件の一つですが、その間に何をやるかで、その後の銀行員生活は変わってきます。
最低経験年数の間にやるべきこと
- 今の役職で求められる検定試験・資格を合格する。
- 一つ上あるいはさらに上の役職で求められる検定試験・資格を先取りで合格する。
今の役職で求められる検定試験・資格の合格は当然ですが、一つ上あるいはさらに上の役職で求められる部分について、如何にクリアするかがポイントです。
めでたく昇格することができても、次に待っているのはまた新たな最低経験年数です。その期間中に検定試験や資格にしっかりと合格できれば良いのですが、残念なことに不合格となり、ゆくゆくは期間中に合格する事ができず出世が遅れる人が一定数います。
- 出世した結果、仕事がハードになり疲れて家で勉強できなくなった。
- 結婚・出産により、家で勉強する時間が無くなった。
誰もが出世したり年齢を重ねると、職場環境や家庭環境が変わり、今まで普通にできていたことができなくなる可能性があります。
出世レースに遅れないよう、やるべきを取り組むにあたり早すぎるということはありません。できる時にやっておきましょう。
- 真面目に働く。
これは人事考課に直結します。『切羽つまらないと動けない』という人もいるかと思いますが、そこは自分を厳しく律し、頑張ってください。
昇格試験直前の人事考課が良くて運良く土台に上がれても、最終的な判断は今までのことも加味されます。
出世の椅子が限られている銀行ではな尚更のことです。
残りの一枠誰がとる?となった時に、過去の人事考課や実績がある人が強いのは言うまでもありません。頑張ってください。
検定試験・資格試験
各階級、それぞれ上に昇格するために必須となる検定試験・資格試験は定められているかと思います。
たとえ最低経験年数をクリアしていても、たとえ仕事の出来が優秀で高評価を得ていても、最低限の試験に合格していなければ、昇格できません。
試験に合格していないがために昇格できず、その後泥沼にはまっていった銀行員を数多く見てきました。
試験の重要性については、すでにご理解いただいていると思いますので、計画的に漏れなく送らなく計画的に進めていきましょう。
検定試験・資格試験も昇格するにあたって最低要件の一つです。
人事考課
人事考課は銀行員生活を左右する一番の要因と表現して過言でないかと思います。
早く出生する人は、人事考課で高い評価を得ることで、数多いライバルから頭一つ抜け出し、昇格試験もスムーズに合格するでしょう。
一方で、人事考課で評価が低い人は出世に苦労するでしょう。
昇格試験に呼ばれてもなかなか合格しないということはもちろん、一定基準を下回る評価となった場合には昇格試験にすら呼ばれない可能性もあります。
若くしても出世している人もいれば、年齢は重ねていても出世できない人もいます。
その違いを生んでいるものは、先ほど説明した検定試験や資格試験に合格していないという人がいるのも事実ですが、一番大きい要因としては人事考課の影響です。
そもそも、検定試験・資格支店に合格していない人は圧倒的に少ないのです。各商品を販売するために必要な知識・ましてや資格が無ければ仕事になりません。
つまり、最低経験年数や試験など最低限の昇格条件を兼ね備えた大多数の銀行員の中でも一番の差が生じる部分が人事考課なのです。
人事考課で高い評価を得るポイント
- 仕事でしっかり結果を残す。
- 評価してもらう上司に気に入ってもらう。
仕事で成果を出す
人事考課の目的として、各個人の『仕事の成果』を決まった基準のもと公平に評価し、ボーナスや昇格スピードに反映させることで、個人間における平等の実現を図っています。
『行道の実現』という言葉の意味ですが、当然人事考課の評価が高い社員は会社への貢献度は高く(=大きな利益を生んでいる)、逆に評価が低い社員は会社への貢献度が低い(=あまり利益を生んでいない)と考えられます。
利益を大きく生んでいる人も生んでいない人も同じ待遇では、頑張り損が発生しますよね。そこで会社はボーナスの金額を良くしたり、昇格スピードを早くする事で生涯賃金をより高くすることに貢献するなどして、大きな利益を生んでくれた社員により多くの利益を還元することで均衡を図っています。
それでは仕事の成果を最大限発揮するために必要なことは何か?具体的に意識すべきポイントを次に説明します。
人事考課のポイント
- 利益を生んでいるか?
- 求められている仕事の量やレベルに応えているか?
- 業務知識は豊富か?
- チームワークは良いか?
- 後輩指導・部下指導はできているか?
- リーダーシップを発揮しているか?
グループAが評価するものが『仕事の成果』であるのに対し、グループBが評価するものは仕事の成果を生み出すための『土台』にあたります。
『土台』をしっかりと作った上で『仕事の成果』という結果が付いてくると、能力に見合った昇格ができるため、出世後に大きく困るということは防げるでしょう。
上司に気に入ってもらう
人事考課は厳格な基準の元、公平な評価に努めるべきものですが、評価をする上司も人間です。マークシートを読み取る機械ではなく、感情が入ってしまう部分は防ぎようがありません。
- 特定の人物を厳しく評価してしまう。
- 期待値を込め、温情采配する。
このような上司の好き嫌いに左右されることは少なからずどうしても発生してしまうのです。
人事考課の観点からすると望ましくないかもしれませんが、上司に嫌われる人は上司に好まれている人に比べ世間から嫌われる可能性も高いと捉えることができます。
世間から嫌われると、銀行の利益を減少させる可能性もあるため、そういう意味では理にかなっているとも言えますが。
人事考課は意識することで改善可能
一般的には『仕事の成果』と『土台』は比例していると考えるのが通例です。結果だけでなく過程重視すれば、『土台』が無いところに『仕事の成果』は発生しないと考えます。
しかし『土台』がなくても『仕事の成果』を生み出す社員はいます。そして評価する側は『土台』の部分を『仕事の成果』と混同し評価してしまう人も少なくありません。
『仕事の成果』をしっかりと発揮できる部下は上司にとって可愛い存在であり、少し変わった個性も可愛く見えてくるのが人間です。
このような特徴を考えると、少し要領が良いひとであれば、銀行は簡単に出世できる場所であることは間違いありません。
しかし、能力を伴うことなく出世してしまうと、肩書に見合った仕事ができないという事態に陥ります。
本人が苦しむのだけならまだしも、銀行という組織として損失を被るでしょう。
少しコツを掴めば『仕事の成果』は簡単に発揮できますが、『土台』を成長させることも忘れずに行いましょう。
『土台』の成長は銀行員としての成長でもあります。
昇格試験
出世のためには昇格試験に合格することが必須要件です。
- 筆記試験(知識の確認)
- 論文(論理的文章・考え方の確認)
- 面接(人物像の確認)
大体こんなところです。
そして晴れて合格すると、昇格です!おめでとうございます。
ここで、昇格試験の筆記試験・論文・面接は1回切り。これまで、1年間頑張ってきたのに、たった1回の昇格試験で判断されるの酷すぎと思われる方がいるかもしれません。
安心してください。1回きりの昇格試験より重要視されるであろう昇格判断基準があります。
昇格判断基準
昇格判断は前半に説明した『昇格判断材料』をもとに、最終的昇格試験という振るいにかけられ決定します。
昇格判断方法は、減点主義・加点主義の双方がとられています。
ここで昇格判断材料について再度載せつつ、減点主義か加点主義のどちらに当たるかを考えていきます。
- 役職別最低経験年数(減点)
- 検定試験・資格試験(減点・加点)
- 人事考課(減点・加点)
それぞれの項目に減点の要素がありますが、減点された結果として一定基準を下回った場合には、昇格試験にする招集すらされない可能性があります。
経験年数以外は加点要素もあります。加点要素は、残り1つの椅子を争う際に、最後の一押しの際に力を発揮するでしょう。
昇格試験をやる意味
今までの説明から、『昇格試験やる必要ないじゃん』と思われれる方はいらっしゃるかもしれません。
実際、普段の部下を一番長く見ているのは上司であり、上司の判断に従えばよいという考え方もありますが、上司が部下を判断する基準も場合によっては少しずつ異なっている可能性があります。
昇格試験を行う意味は、事前に収集した昇格判断材料が正しく評価されたものか最終判断する。という意味が大きいのではないかと考えられます。
銀行にもよりますが、昇格試験の前にある程度の出世レースは決まっているかもしれませんが、最後まで気を抜かないが大切です。
昇格試験こそ最後の審判です。最後まで何が起こるか分かりませんね。
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