銀行員のノルマ一覧 自爆営業はあるのか?華やかなイメージの裏にあるものとは

  • 銀行に就職するけど、ノルマ大変かな?
  • ノルマ達成できない時は、自分や家族で契約しなければいけいない?
  • ノルマの達成状況関わらず、金融商品契約は勤務する銀行で契約しなければいけないの?

銀行に就職すると、このような悩みが出てくると思います。今回は世間で問題視されがちの自爆営業について、銀行内部ではどうか?という点にフォーカスした記事です。

この記事で分かること
  • 銀行のノルマ一覧
  • 銀行でありがちな自爆営業の実態
  • 自爆営業を防ぐ方法
  • やむを得ない自社商品買いはあるのか。

銀行員のノルマはキツイ

まず最初に言っておきます。銀行員のが達成すべきノルマは多岐に渡り、代表的なケースでは下記のものが挙げられます。

  • 預金新規取引先件数
  • 定期預金獲得金額
  • 事業性融資新規取引件数
  • 事業性融資契約金額
  • 住宅ローン契約件数・金額
  • オートローン・カードローン等個人ローン契約件数・金額
  • クレジットカード契約件数
  • 公共料金口座引落登録件数
  • 投資信託販売件数・金額
  • 生命保険販売件数・金額
  • 損害保険販売件数・金額

代表的なものを挙げてみましたが、ものすごく多岐に渡りますね。そして項目の多さは見ての通りですが、銀行員ならではの、契約したら事後処理がまた大変です。

 

自爆営業はあるの?

この場で具体的な組織名を挙げて自爆営業の例を紹介するのは避けておきますが、ノルマ達成のための自爆営業は存在するようです。職員が月々数千円から数万円の自己負担で契約できる共済などが自爆営業でよくある事例です。ウェブで検索してみると多数ヒットします。

それでは自爆営業することでどのような効果があるのでしょうか?

《自爆営業のメリット》

  • 企業の売上に貢献できる。
  • 組織の目標達成に貢献できる。

自爆営業のメリットはせいぜいこんなところです。

《自爆営業のデメリット》

  • 自爆営業した個人にじわじわと、時に大きな負担がかかる。
  • 自爆営業の前例を作ることで、次の自爆営業事例を生む障壁を下げている。

自爆営業のメリット・デメリットを挙げてみましたが、ごく当たり前のことですね。

そして、このメリット・デメリットを考慮した上で考えられる自爆営業の問題点は次の通りです。

企業のメリットに対し、自爆営業被害者のデメリットが甚大。

自爆営業の被害を受けた本人のお財布事情は大変です。大体自爆営業を行う職員は支店長や次長といった出世した人ではなく、営業係の末端やせいぜい主任・係長といった中間管理職です。

そこまで高給取りではない中、日々の生活費や交際費・雑費を引いた『本当の意味での可処分所得』、つまり将来の貯蓄に回しておきたいお金の中から自爆営業に伴う月々の出費を負担しなければなりません。

この世代だと、『本当の意味での可処分所得』は独身の方で多くても月10万円程度、既婚子持ち世帯だと月2~3万円程度をやっと捻出しているといったところではないでしょうか?そこに月々数千円~数万円の共済費となると、負担感としては結構大きなものです。その一方で企業が受ける恩恵としては本当に微々たるものです。

自爆営業を生まない取り組み

  • 自爆営業は営業成績から除外する。
  • 自爆営業を禁止する制度づくり。

自爆営業が企業にもたらす利益はほんの僅かです。その僅かばかりの利益を生むために本来もっと多くの利益を生む従業員のモチベーションを下げたり、最悪の場合は自爆営業に耐え切れない従業員の退職に繋がりかねない事案になっています。

自爆営業を生まない取り組みをすれば、従業員の働きやすさや労働意欲は間違いなく改善されます。働きやすさと労働意欲が改善された会社は、少なからず成果として如実表れます。その結果として、自爆営業以上の利益を生むことになるでしょう。

基本的に自爆営業は組織ぐるみで行われるものではありません。仮に組織ぐるみで自爆営業を推進しているような会社があるとすれば、その会社は従業員の幸福なんて微塵も感じていません。辞めてしまって構いません。

自爆営業の多くは目標達成のために部署が自発的あるいは追い込まれることによって行われるものであり、現場ごとで発生しているものです。

  • 自爆営業を行っている人は今すぐ止めましょう。仕事という枠を飛び越えて、あなた自身あるいはご家族の生活にとって負担になる自爆営業は、たとえノルマのためと言えどやる価値はありません。仕事のために生活があるのではなく、生活のため仕事があるのです。
  • 組織として、自爆営業を生まない体制を作ることは困難でも、ご自身が上司となった暁には、部下に対し自爆営業を強要するあるいはそそのかすことを無くしましょう。

このことを肝に銘じ、あなたの仕事が家族に誇りを持って話せるものであり、上司になっても後ろ指さされないよう心掛けてくださいね。

銀行員にありがち自社商品買い

ここでは銀行に就職したら必ずらなければならない項目や、人生の大半の時間を過ごす会社を居やすいものにするために、損しないものや他の企業で利用しているサービスでもお勤めの銀行の商品で代替性の効くものであれば寛容に受け入れ、契約するケースがあります。これまで『自爆営業』と表現しましたが、ここでは『自社商品買い』と表現します。

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普通預金口座作成・給与振込口座指定

銀行に就職したら、給料を受け取る口座は基本的にお勤めする銀行の口座です。というより絶対です。地方銀行や信用金庫に就職した人が、利便性の観点から全国に店舗・ATMが広がっている銀行の預金口座で給料を受け取りたいと言っても、それは無理です。

『郷に入っては郷に従え』です。他行預金口座で給料を受け取りたいと言ったら、それは非国民扱いですので、気を付けてください。

定期預金契約

定期預金は契約しても元本割れ等損することはありません。特に地方の銀行・信用金庫は定期預金獲得キャンペーンに伴うノルマがきつく、行員が契約するケースも多くあります。

クレジットカード

クレジッカードも自らの勤務先の商品を選ぶ人が多くいます。今の時代一人一枚は持っているもので、年会費がかからなければ作る方は多くいます。

オートローン・カードローン

一般的に銀行が扱っているオートローン・カードローンは、カーディーラーが扱っているローンや市中にあるカードローンより金利が低いケースが多くあります。金利が低いあるいは同程度であれば、自社商品を選択する方が多いです。

避けられがちな自社商品

 

住宅ローン

オートローン・カードローンが自社商品が選択されるのに対し、住宅ローンは勤務先以外の住宅ローンを選ぶことが多く理由は次の通りです。

住宅ローンの自社商品契約が避けられがちな理由
  • 生活実態が職場に見られていそうな、なんとも言えない気持ち悪さ。
  • 他行で契約した方が好条件の住宅ローンが契約できる。
  • 借入期間中あるいは金利更新時金利引き下げ交渉をしても、基本的に応じてもらえない。

生活実態がバレるという気分的な問題はさておき、お金に直結する問題はどうしても見て見ぬふりはできませんね。

住宅ローンはオートローン・カードローンに対し、借入金額が多額であり期間が長期化するため、金利が少し高くなるだけで、支払利息の増え方も強烈ということが背景にあります。

行員向け福利厚生として低金利を謳った住宅ローンがありますが、今の時代住宅ローンの金利競争は過熱傾向。いくら好条件の福利厚生商品でも、競争を意識した他行住宅ローンやネット銀行の低金利には敵わない所が多いのでは。

金利が高いことに気付き、。一般顧客に対しては金利引き下げの余地があっても、自社商品を使っている従業員に対しては基準以上の金利引き下げの余地はありません。

その結果として、他の銀行の住宅ローンに借り換えをしたら、それこそ非国民扱いです。

最初から、勤務先以外での住宅ローン契約をお勧めします。

 

投資信託

投資信託の窓口取引時間は9時から15時という時間帯は銀行員にとって、いや多くの会社員にとって仕事の真っ最中です。そこでインターネットで取引する方が多いと思いますが、銀行の投資信託ネット取引については、ネット証券と比較するとどうしても劣る面があります。

投資信託の自社商品契約が避けられがちな理由
  • 購入時手数料がかかる。
  • 取り扱い商品数が少ない。
  • 取引時間に制限がある。

今の時代、ネット証券は購入時手数料は無料が主流です。また取扱商品数もネット証券の方が圧倒的に多く、選択肢が豊富です。

対面で商品選択のアドバイスが欲しいお客様ではなく、ある程度知識を付けた行員であればわざわざ購入時手数料を払ってまで銀行で取引するのでなく、無料のネット証券で自分で商品を選ぶ人が多いです。

また、システム上の取引時間にも制限がある所が多く、投資信託の売買は仕事時間外、もっと言えば家庭の時間外でやりたい人が多いと思いますが、そのような時間になるとシステムが起動していない所もあります。

その点で言えば、ネット証券はシステムが起動していない時間が圧倒的に短く、利用上のストレスは少なく感じます。

クレジットカード

『銀行員にありがちな自社商品買い』にも登場しましたが、『避けられがちな自社商品』にも登場します。

クレジットカードの自社商品契約が避けられがちな理由
  • 一般カードの年会費が有料。

ゴールドカードの有料は許せても、一般カードの有料が許せないという方は多いのでは。

今や、一般カードの年会費は有料が主流だと思います。

カード年会費が有料で、有料の理由が『付加価値の創生』という顧客利益のためではなく、『カードシステム』の維持という運営側の理由であれば、普通の感覚であれば避けられるのも無理ないでしょう。

まとめ

いかがでしたか。今回は銀行のノルマと自爆買いの実態について触れた記事でした。会社とは良好な関係を維持しつつも生活に無理のない付き合い方ができると良いですね。

隼人パパ

元銀行員コンサルタント。
銀行員時代に培った金融知識と1000名以上の経営者と商談した経験を活かし、個々人のより良い生活はもちろん、企業をより良い場所にすることで、そこに属する従業員の幸福を実現するサポートをします。
≪資格≫ファイナンシャルプランナー、生保募集人資格・損保募集人資格、内部管理責任者 他

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