銀行内部の人間関係は面白いことが一杯です。お局さんがいたり、キャラが濃すぎる上司や部下の存在。そして濃厚キャラ同士が混じり合った結果、ヒューマンドラマの筋書きは無限に広がる可能性を秘めた楽しい職場です。
- 俺たちが勤務する会社は男女半々で、男女ともにバランス良く配置されているし、人間関係は良好だよね。
- 強いて言えばあの鬼上司のAさん厳しすぎ…
- 何言ってんの?女性陣は女性社会って感じで怖いよ?
- それにAさんすごく優しいよ。女子みんなにコーヒーごちそうしてくれるよ。
- それに一番怖いのはお局のBさんと、女性上司のCさん。
- ほへっ?マジで?Aさんって男性の前だといつもムスっとしてるのに。
- それにBさんとCさん、男性の前だとすごく優しいよ?
銀行員は極端なんですかね?いいえ、そんなことありません。どんな会社も個が結集した組織であり、当然どこにでも人間ドラマはあるものです。
今回は、銀行内部で見てきた人間関係あるあるを紹介していきたいと思います。銀行に限らず、他の業種の方でも『ウチんとこ当てはまるわー』って共感していただけると嬉しいです。
お局さんが存在する
女性が何人かいる職場には決まって一定数いますよよね。
『この島(エネルギーがある人は職場全部)の権限は私が握る!!』っていう人。
その権限を女性社会だけで振りかざすか、はたまた男性をも巻き込んで職場全体で振りかざしてくるかはその人次第です。
お局さんの覇権争いがある
先ほどお局さんが『一定数いる』と書いたとおり、決して1人だけとは限りません。同一店舗内に2人・3人と集結することもあります。
こちらのお局さんが複数人集まると、行動は2パターンに分かれますので、それぞれ説明していきたいと思います。
こちらの支店は大変です。お局さんが4人も集結していますが、お局さんAを筆頭にお局さんB~Dはほぼ同一の力関係で成り立ったヒエラルキーが存在しており、村には毎日平和な時間が流れています。
そんな局集支店にももう一つ明るいニュースです。
人事異動で『お局さんE』が新たに加わります。
お局Eさんがどんな行動をとるか注目ですね。
- 郷に入れば郷に従う。
一番平和な形です。村の平和は今日も守られます。
- 覇権争いに挑む
お局さんEは果敢に覇権争いに挑みます。
そして、めでたくお局さんAを追い出し、天下統一しました。Aに不満を抱きながらも従うしかないB~Dの心をつかむのは容易でした。
しかし、Aも今まで守ってきた地位を新参者に簡単に譲るわけにはいきません。B~Dも新参者が急に天下統一しているのを面白く思っていません。Aとの関係もなにかぎこちない…
そして、ついに始まりました。お局さんE降ろしが。
従来の形を取り戻しつつ、EはDの管理下に置かれる形になり、村は平和を取り戻しました。
自然界の摂理って恐いですね。
特定の女性だけに厳しい女性上司がいる
もう一つ女性社会ネタです。
私が見てきたところ、女性社会は厳しいのですが、ある日同期の女性が言いました。
『女性だけの社会恐い』
その女性は、中学・高校・大学一貫して女子校出身で、社会人になって久しぶりに男女共存の銀行に入社しました。
女性社会が当たり前な環境で育った彼女も、社会人になったことで『男性もいる社会』を知ったことで、今まで普通に過ごしていた女性だけの社会が恐かったということに気が付いたそうです。
女性上司の皆が女性だけに厳しいというわけではありません。私自身男女双方にめちゃくちゃ厳しい上司も、あるいは両方に優しい上司を見てきました。
そして、特定の女性だけに厳しい上司も…
そのような女性上司はまず、『女性だけの社会』を意図的に作ろうとしてきます。
そしてターゲットは大人しめの若い子ですかね?あまり他の人とコミュニケーションをとらなさそうな。
もし、周りで異変を察知したら助けてあげましょう。
特定の男性だけに厳しい男性上司がいる
特定の同姓の部下に厳しいのは女性だけではありません。男性においても同様のことが言えます。
社会人になって最初の上司は私だけにめちゃくちゃ厳しい人でした。たぶん私が直属の部下で、最年少ってのもあったと考えていました。
仮名ですが、『ホンダさん』とでもしておきましょうか。『ホ』から始まる人です。ホンダさんかもしれませんし、そうでないかもしれませんが、『ホ』から始まるまる一番オーソドックスな苗字です。
本当にやばい人で、軍隊の鬼教官かっ?てな具合の人でしたが、なんとか3年間耐えて、上司が異動になり、それぞれ別の職場になりました。
ホンダさんは私のダメなところを徹底的に指導してくれ、そのおかげで私は社会人として銀行員としての基礎が身に付き、仕事もしっかりと勉強させてもらったのは事実です。
部下を持ってから分かるようになったことですが、あれほどの上司風を吹かせるのは大変だと実感しました。
20代前半は厳しい指導に反省させられたり、悔しい思いをしたり、仕事行きたくなくなったり、時に不貞腐れた態度をとってしまったりでしたが、部下を持った30歳以降はホンダさんの徹底した上司としての姿勢に感謝し始めました。
そしてある日、ホンダさんに再開する日が来ました。
私:『ホンダさん!当時は本当にお世話になりました!!』
ホンダさん:『おっ、隼人くん!元気にしてたか?当時は隼人君のこと嫌いで辞めさせてやろうと思っていたけど、よくしがみついたね』
・・・
・・・
・・・
厳しい理由はそっちだったのかー!!!
ですが当時の私もしっかりと反撃していたので、全然気にしていません。
ホンダさんを呼ぶ時、必ず『あっ!』という言葉を付けることで、たまたま見つけたような、ちょっと待ってくれみたいな、『あっ!』という言葉を付けていました。
- あっ、ホンダさん!おはようございます!
- あっ、ホンダさん!これ確認しておいてください。
- あっ、ホンダさん!お先に失礼します!
ホンダさんは気付いていません。
- アホンダさーん
- アホンダさーん
ってのが私の心の声でした。
ホンダさんがこの投稿を見ていないことを祈ってます。
そして、全国のホンダさん。不快な気分にさせてしまっていたら申し訳ございません。隼人って部下が記憶にない限りあなたではありません。ご安心ください。
特定の異性に態度を変える女性上司がいる
女性は男性に比べて動物的知性・完成が高いです。
仕事ができる男性に対しては、女子感を発揮してきます。逆に仕事ができない男性にはお局感を出してきます。
女子感を発揮してくると『結構可愛いとこあるじゃん!』って思うけど、お局感をだしてくると『こわっ!!』って思います。
本能的に女性はたぶん男性の能力の高さを見るんですかね?
特定の異性に態度を変える男性上司がいる
『特定の異性に態度を変える』シリーズ、今回は男性上司編です。
不思議ですね。女性上司を男性上司に変えるだけで、急にセ〇ハラ的要素がでてきます。
- 見た目がタイプ
- 上司として慕ってくれる
- 部下としてほ放っておけない
- 弱っている
不思議ですね、女性上司とは違った視点を持つのが男性上司です。
まあ、これは仕方がないことです。本能の部分です。
私もクレームを受けていた女性部下を喫茶店に連れ出そうとして、当時の支店長に咎められました(笑)
隼人君の狙いは分かってるんじゃ!と。
上司として適切な部下マネジメントに見せつけて、あわよくば仲良くなるチャンスを狙っていたのがバレました。
しゅん。
朝令暮改の上司がいる
今日も鬼上司が言います。
- 今日は契約〇〇件とってこーい!契約取ってくるまで帰ってくるなよー。
- なんで営業でてるんだよ!?稟議が進んまないだろ。
ほんの一例ですが、まるで正反対のことをセットで言ってくる人がいます。それぞれ違うタイミングで言ってくれればまだ良いのですが、朝8時30分のミーティングで言われたことと逆のことを10時30分頃に言われるということも普通にあります。
部下:どっ、どうすればいいんですか?
上司:んなもん自分で考えろ!
永久に答えは見つかりません。
一つ言えることは、どんなことがあろうと上司の命令には❝YES❞で応えるのみ。
これが銀行員としてやっていく処世術です。
男性社員は固い絆で結ばれている
全部の銀行がというわけではありませんが、無理難題・無茶な要望はどちらかというと男性社員に向けられがちです。
そして、男性社員にはある結束力が生まれます。
- 共通の敵を持った仲間
- 鬼上司による被害者の会
そこには先輩後輩の上下関係などありません。
あるのは同じ痛みを負ったという仲間意識のみ!
そして次の行動に繋がります。
- コーヒー片手に営業車輛・バイク置き場で長々と続く極秘会議。
- 会議の議題は週末・月末開催の会議で予想される上司の詰めを乗り越える方の対策。
こうして会議の対策を考えるための会議に1時間近く時間を費やしたころで、1人の男性社員が言います。
『やべっ!アポの時間に遅れる!』
こうして無駄な時間を費やし、会議対策の会議では何も解決策を導くことはできず解散します。そして、会議の続きと称した急遽飲み会が設定されます。
そして会議当日、ボコスコにやられます。
しかし、男性社員の間にある絆が生まれました。同じ釜の飯を食うという仲間意識が。
銀行員やってて楽しいと思える瞬間です。
営業係は体育会系
メガバンクの営業さんは知的なイメージがありますが、地銀・信金の営業マンは体育会系が多いです。
下積みの頃は、皆バイク営業です。
- 雨が降ろうが風が吹こうがバイクで突き進むのみ。
- 炎天下の日は、バイクのサドルでやけどしそうになる。
- バイク営業の勲章:①腕に残ったのはサーファーばりの日焼け。
- バイク営業の勲章:②汗をかき、水分が蒸発しきった後の腕に残る自家製の塩。
- 冬の日は、ガンガンに着込んだ防寒具に身をまとい、バイクで突き進むのみ。
- 冬の雨がしみ込んでくると地獄の冷たさ。
たまに思います。この仕事、土方より大変なんじゃね?
大変ですが、営業を続けていると、目に見えて変化も出てきます。特に人の変化には敏感です。
おとなしそうな後輩もなんだか体育会系に染まってきます。
こいつ大丈夫か?と思っていた若い子も、営業でしばかれることでたくましく成長します。
口癖は『オッス』、無理難題言われても返事は『わかりましたっ!!』
これも成長の一環です。
営業係は飲み会も体育会系
昔、めちゃくちゃ怖いと思っていた先輩に誘われたサシ飲み。
ここは先輩に認めてもらうチャーンス!!と超ポジティブに捉え、のこのこ付いて行きました。
先輩はお酒が大好きで、私もお酒はそこそこ行けるタイプです。
良い意味でコミュニケーションの潤滑油になり、先輩も普段の鬼の表情と違った優しそうな顔つき(目は笑っていない)
私もそんな先輩に安心して、調子に乗って先輩を〇〇くん呼ばわり。
先輩の表情は若干ひきつっているけど、そこまで大きく変わってはいない。
でも目は明らかに血走っている。やばい…
注文したつくねがテーブルに到着。次の瞬間、先輩は言いました。
『おい、お前卵黄飲み込め!俺、生卵苦手なんだ!』
今思うと、体育会系というより、パ〇ハラです。
他にも色々ありますが、数あるパ〇ハラ発言の中には先輩の弱みを見つけるチャンスが眠っています。
支店長は孤独
支店長は孤独です。こわーい支店長はもちろん、優しいフラットな支店長もどこかしら孤独感があります。
部下からすれば次席者までは気軽に話せる人もいるけど、相手が支店長となると訳が違ってきます。
なんて表現すればいいんでしょう?支店長という肩書きが部下に緊張感を持たせるんですかね?決して支店長に問題があるとは限りません。
そして、そんな孤独を感じつつも淡々と感情に流されずに仕事をするのが支店長です。
さすがです。私なら取り乱してしまいそうです。
私は現役時代10人ぐらいの支店長と仕事をさせていただきましたが、その中である1人の支店長が言いました。
支店長は孤独なポジションです。
皆さん壁を作らず、どんなことでも積極的に話しかけてきてください。
自ら弱みを見せる支店長はなかなか珍しいです。
なんとも人間味がある支店長だと思いました。
振り返ればその支店長は、私が地味なネクタイとカッターシャツを着ていたところ、
『銀行員がおしゃれできるのはネクタイとカッターシャツだけだろ?もっとファッションに気を遣えよ。』とアドバイスをしてくれた方です。
当時若手の私の中で、いや銀行の研修でも『柄の入ったカッターシャツや派手なネクタイ・スーツは銀行員として相応しくない』とされていまいした。
暗めの色のスーツと白の買ったシャツ・青と黒の太めのラインが斜めに入ったいかにも地味なネクタイを基本としていた私しては衝撃というか革命を起こしてくれた支店長です。
ここで単純な私は思います。
- 仕事頑張っているアピールがてら、支店長に分からないことの質問しよう!
そして、支店長のところに意気揚々と向かい、いざ業務に関する質問ターイム!!
・・・
・・・
あれっ?何か空気がおかしいぞ?
変なこと言った?
そして、ホンダさんも含め応接室に連れていかれ、三者面談。
支店長:『どうして直属の上司のホンダさんに相談しないのか?君は社会人としての基礎がなっていないね。』
そしてホンダさんに言われます。
ホンダさん:『なんで俺に最初に相談しないんだ?俺って話しづらいか?』
・・・
地獄でした。
銀行は小中高大一貫のエスカレーター学校
上の図は銀行内部の組織図であり左側が営業店、右側が本部です。各銀行にもよりますが、だいたいこんなところです。
左側の営業店を例に、役割別にまとめてみると次のように分けることができます。
校長先生:頭取
教頭先生:副頭取
その他先生:取締役などその他役員
4年生:部長の中でも次期役員候補
1~3年生:一般的な本部部長
3年生:支店長(行内でも有名な権力者)
2年生:支店長
1年生:副支店長・次長
3年生:支店長代理(ベテラン)
2年生:支店長代理
1年生:係長
高学年:主任
中学年:一般行員(3年目~)
低学年:一般行員(1~2年目)
銀行の人間関係はこのような形です。
年上部下と年下上司が存在する
年上部下と年下上司の存在は人間関係をややこしくし、次のような悩みが尽きません。
- 年上部下を持つとなんだかやりにくい。
- かといって、年下上司もやりにくい。
- 言葉遣いはどうすればいいの?
- 年上部下の妬みが激しい。
銀行には40歳・50歳でも平社員の人がいます。そうすると、年下の中学生や高校生がいても不思議ではありません。
逆のケースもしかりです。若くして支店長になると年上の中学生はもちろん、小学生も普通にいます。
この場合、言葉遣いに悩みますよね。
基本的には、相手が年長者あるいは職位が上、どちらか一方に当てはまる場合は敬語で話すのが無難です。
そして言葉遣いよりも面倒なのが、年上部下からの妬み嫉みいわゆる『嫉妬』ってやつです。
私も経験しましたが、これほど面倒なものはありません。
役割だから仕方がないと割り切って接してくれる年上部下は良いのですが、反骨心むき出しで来る人もいます。
ここで考えたいのが年上部下への対応です。
私が導き出した答えは、『何もしない』ということです。
戦っても火に油を注ぐだけですし、慰めても相手の傷口に塩を塗るだけ、自然鎮火というか嵐が去るのを待つのみです。
頑丈な傘を持って、雨風しのいで、時に降りかかってくる瓦礫を如何に避けるかがポイントです。
まとめ
銀行に限らず、社会でやっていくためには良好な人間関係の構築が不可欠です。
人間関係が良い人にとっては、職場は居心地が良く、頑張る時は頑張れる環境にあるでしょう。
そして、人事異動で居心地の良い職場を離れなければいい・尊敬している上司がどこかに異動してしまうということもあるかもしれませんが、仕方がないことです。
しっかりと成長することで恩返ししましょう。
その一方で、社会を見渡せば色んな人いるのがこの世の中です。波長が合わない人もいるし人格に難がある人もいる、そして他人を変えることは難しいし、その相手が上司であればその環境を変えることは困難です。
そういう意味では、いやな人間関係も定期的にリセットされるのが銀行です。
銀行は良くも悪くも異動が付き物の職場です。
どうしても無理なら転職もありです。より良い人間関係を求めることは『逃げ』ではなく『懸命な選択』です。
ここまで長々と書きましたが、より良い人間関係の構築に一役買うことができれば幸いです。
お付き合いいただきありがとうございました。
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