部下が言うことを聞いてくれない!原因は上司?本人?どちらにある?

コンサルティング

職場において、部下との関係がうまくいかない人も少なくありません。

言うことを聞いてくれず、どうすれば良いのか頭を抱えている人も多いでしょう。

この問題の原因は何なのでしょうか。

そこで今回は、上司の言うことを部下が聞いてくれない理由について、上司側と部下側、それぞれの視点から分析してみた後に、問題解決の対処法について考察していきます。

あなたに原因がある場合はもちろん、相手に原因がある場合の対策についても詳しく紹介するため、ぜひ参考にしてみてください。

上司の言うことを部下が聞かない理由は何か?

部下が上司の指示や意見を素直に受け入れられない理由は多岐にわたります。

上司としての振る舞いやコミュニケーションの取り方が問題である場合はもちろんのこと、部下自身の性格や態度が関係している場合もあります

どのような要因が考えられるのか、上司に非があるパターンと部下に非があるパターン、それぞれに分けて考えてみます。

上司に非があるパターン

まずは、上司側に問題がある場合について考えてみましょう。

上司の態度や行動が原因で部下が言うことを聞かないケースは意外と多いものです。

いつも高圧的な態度で周囲に接している

あなたが部下に接する時は、どのような態度を心がけているでしょうか。

もしかすると、自分で思っているよりも高圧的な態度で周囲に接しているかもしれません。

高圧的な態度は当然ながら部下のモチベーションを大きく削いでしまうものです。

常に命令口調で接し、部下の意見や感情を無視するような態度をとっていると、部下は次第に反発心を抱くようになってしまいます。

このような状況が長く続いては、上司の指示に対して素直に従う気持ちも薄れてしまうでしょう。

高圧的な態度は短期的にはその場で従わせることができたとしても、長期的には部下の信頼や尊敬を失う結果につながってしまうことが多いです。

高圧的な態度を取る上司は、しばしば部下との対話を軽視し、一方的な指示のみで業務を進めようとしてしまいます

しかし、現在のビジネス環境においてはコミュニケーションが最重要視されており、部下との対話を通じて信頼関係を築くことが求められます。

「高圧的な態度を取っているかもしれない」と自覚がある人は、改めるようにして、部下の意見や感情を尊重する姿勢を持つようにしましょう。

仕事ができないため、説得力がない

仕事ができないため、説得力がない可能性もあります。

上司が自分の業務をうまくこなせず、ミスを連発するような場合、部下からすれば「この人の言うことを聞いても大丈夫なのか」と疑念を抱いてしまいます。

また、いわゆる「舐められてしまう」ことも多いでしょう。

上司に対する信頼を失うと、部下は指示に従う意欲を失いがちです。

部下に対して積極的な指導を行うためには、まずは自分のスキルを高める努力が必要です。

上司が専門知識やスキルを持っていないと、部下はその指示や意見に対し素直に従うことは難しいです。

上司が自分のミスを認めず、責任を部下に押し付けるような態度をとると、部下の不安はさらに高まってしまうでしょう。

このような状況を避けるためには、自分が継続的に学び、自分のスキルを磨くことが求められます

知識のアップデートを意識しながら、自分の市場価値を高めるような取り組みを続けることをおすすめします。

考え方をアップデートできていない

考え方をアップデートできていない、時代遅れの考え方に固執する上司でないかどうか自分で振り返ってみましょう。

現代のビジネス環境は常に変化していますが、上司が古い価値観や方法論に固執していると、部下はその指示に疑問を感じることが多いです。

新しいアイデアやアプローチを取り入れない上司に対しては、「もっと効率的な方法があるのに、考え方が古いな」と思って不安を持ちやすくなってしまいます。

部下は最新の情報や技術に触れる機会が多く、変化に対して柔軟に対応することが得意な人も多いです。

上司がそれに対応できない場合、部下は上司の指示に対して納得感を持てず、従うことをためらってしまいます。

自分の考え方をアップデートし、柔軟な思考を持つことが重要です。

部下の意見を取り入れ、ともに新しい方法を模索する姿勢を保つことで、信頼関係を築き、指示に従ってもらえるような関係を築くことが大切です。

部下に非があるパターン

ここまで上司、つまりあなたに非があるパターンについて紹介しましたが、もちろんあなたにはあまり非がない場合も存在します。

部下本人に非があり、指示に従ってくれない場合はどのようなケースがあるのか、そしてどう対処すれば良いのかについて説明します。

常識がない

常識がない社会人はどのような職場でも問題を引き起こしてしまいます。

基本的なマナーやルールを守れない部下は、上司の指示を正しく理解できなかったり、無視してしまったりなど問題を引き起こしがちです。

このため、部下に対してはまずは基本的な常識を身につけさせることを心がけましょう。

職場での常識やルールを知らない部下は、チームの和を乱すだけでなく、業務の効率を低下させる原因にもなってしまいます。

例えば、会議中に適切なタイミングで発言しない、報告や連絡を怠る、基本的なマナーを守らないなど、常識の欠如は様々な場面で問題となってしまいます。

このような部下には、まず上司として常識やルールを丁寧に教えることが求められます。

具体的な例を挙げながら、どのような行動が求められるかを明確に伝え、改善の方向に向かえるように丁寧に指導しましょう。

また、定期的にフィードバックを行い、あまり強くない口調で改善点を指摘することも大切です。

自分のやり方に固執している

自分のやり方に固執してしまっている部下も、上司の指示を受け入れることはなかなかできません。

自分の方法が正しいと思い込み、他人の意見や指示に耳を傾けない態度はチームの和を乱してしまいます

このような部下には、柔軟な思考を持てるように働きかけましょう

部下が自分のやり方に固執する理由は、過去の成功体験や自信過剰が原因と考えられます。

しかし、ビジネスの環境は皆さんご存知の通り常に変化しており、同じやり方が通用するとは限りません。

上司としては、部下に対して柔軟な考え方を持つことの重要性を説く必要があります。

新しい方法やアイデアを試すことのメリットを説明し、実際に成果が上がった例を示すことで、部下の考え方を変える手助けにもなります。

また、部下が自分のやり方に固執する背景には、不安や自信のなさがある場合もあります。

そのような場合は、相手が自信を持てるようにサポートすることも重要です。

メモを取らず、言われたことを忘れてしまう

一回で覚えられるならばメモを取らなくても良いかもしれませんが、そんな素晴らしい記憶力を持っている人材はなかなか少なく、その中にはメモを取らない人も多いです。

メモを取る習慣を身につけさせることで、コミュニケーションがスムーズになるだけでなく、一度教えたことを2度も3度も教えなくて済みます

特に複雑なタスクやプロジェクトを同時に進める場合、メモを絶対に取らせるようにしましょう。

メモを取らない部下は重要な情報を忘れ、指示を正確に遂行できないことが多いです。

まずは、なぜメモを取るのが重要であるのかについて説明するようにしましょう。

また、メモを取るのが下手であると判断できた場合は、メモを取る際のポイントやコツを伝えることも重要です。

デジタルの方が良いのか手書きのメモの方が良いのか、本人に聞いた上で、それぞれのツールにおいて的確にメモを取る方法などについて丁寧に教えてあげましょう。

「メモの取り方すら知らないのか」と呆れてしまうかもしれませんが、これまでメモの取り方について教えてもらわなかった人は仕方がないため、今後はちゃんとメモを取れるように教えてあげることが重要です。

部下が言うことを聞いてくれない時の対処法とは?

部下が言うことを聞いてくれない場合の理由や簡単な対処法については紹介しましたが、ここからはより詳しい明確な対処法についてそれぞれ紹介します。

以下の対処法はどのような言うことを聞いてくれない部下においても汎用的に活用できる可能性が高いため、ぜひ参考にしてみてください。

責任を与える

部下が言うことを聞いてくれない場合は、ぜひあえて責任を与えて自主性を引き出してみましょう。

部下に対して信頼を示し、重要な役割を与えることで部下は自分の仕事に対する責任感を持ちます

責任感を与えることで、指示を遵守する姿勢がが高まることも期待できます。

上司が部下に対して責任を与えれば、部下は自分の役割を重要視し、業務に対して真剣に取り組むようになります。

具体的には、プロジェクトのリーダーを任せたり、重要な決定を任せたりすることでモチベーションを高められます。

また、責任を与える際には適切なサポートを行うことも重要です。

丸投げするのではなく、困難に直面した場合は上司として適切なアドバイスでサポートをして、自信を持って業務に取り組める環境を整えてあげることが大切です。

責任を与え、自分に対する信頼を感じさせることが重要です。

建設的な話し合いをする

建設的な話し合いをすることも、上司と部下の間の誤解や不満を解消するために不可欠な対策の1つです。

問題が発生した際には、頭ごなしに叱るのではなく、冷静に話し合うことが重要です。

お互いの意見を尊重し、解決策を共に模索する姿勢が重要です。

こちら側が一方的に指示を出すのではなく、相手の意見や感情を尊重して、対話を通じて問題を解決することが求められます。

定期的にミーティングを設けて部下が自由に意見を述べる機会を作るようにしましょう。

また、問題が発生した際にはその原因を一緒に分析して、改善策を考えるプロセスを共有することが大切です。

最近は少し叱っただけで凹んでしまい、辞めてしまう人が多いため、あまり強い言い方をしないことが大切です。

自己肯定感が低いと考えられる部下には特に、尊重していることを積極的にアピールして「期待しているからこそ叱るのだ」という意図をこちらから示すことが大切です。

背中で示す

背中で示すことも、上司としての信頼を獲得するために有効な手段です。

特に仕事ができないと判断され、部下に舐められていると感じた場合は、自らの行動で模範を示すことで部下に対する説得力が増します

率先して行動することで、部下はその姿勢に感化され指示に従うようになるでしょう。

上司が自分の仕事に対して真剣に取り組む姿勢を見せることで、部下もその姿勢を見習うようになります

例えば、自分が率先して難しいプロジェクトに取り組んだり、業務の効率化に努めたりすることで、その努力を感じ取り、自分自身の仕事に対する姿勢を改めることも期待できます。

また、上司が部下とともに働く姿勢を見せることで、チーム全体の一体感も高まるでしょう。

背中で示すことには、言葉だけでは伝えきれない部分を補う効果があるのです。

特に説、得したり話を聞いたりしても改善の兆しが全く見られない人には、このように背中で示すことも大切です。

目的は同じであることを示す

共通の目標を持つことは、チーム全体の一体感を高めます。

同じ目標に向かっているという実感を持つことは、部下が協力的な姿勢を取りやすくなります。

上司として部下に対し共通の目的を明確に示し、その達成に向けて共に努力する姿勢を見せることが重要です。

特に、やり方でお互いの意見が食い違ってしまった場合なども、最終的にどのような地点に到達したいのかについて説明することで、「目標は同じである」と理解してもらえます

その上で、どのやり方が良いのかについてわかりやすく説明し、議論を重ねてお互いに納得して取り組むことが重要です。

自分の意見を突き通して、説得したいと考えている部下の場合は特に反発してくることが多いですが、落ち着いて「目的は同じなんだから、落ち着いて方法について考えよう」と優しく諭しましょう。

失敗した時は全力でフォローする

失敗した時のフォローも非常に重要です。

特に責任を任せていた場合は、「自分の責任でもある」ということを頭に置いて話すことが大切です。

部下がミスを犯した際には、「だから言っただろう」と叱るのではなく、「言うことに背いたのに、かばってくれた」と信頼してもらえるような対応を心がけることが大切です。

このようにフォローすることで、次からは上司の言うことを聞くようになるかもしれません。

失敗した際にその原因を一緒に分析し、次に同じミスを繰り返さないための改善策を共に考えることが重要です。

部下の失敗に対して理解を示し、サポートする姿勢を示すことで、部下は安心して仕事に取り組めるようになります。

また、失敗から学ぶことの重要性を伝え、成長する機会を提供することも大切です。

失敗を恐れずに挑戦できる環境を作ることで、自分に対する信頼感が高まり、指示にもしっかり従ってくれるようになるでしょう。

どうしても部下が話を聞かない場合は?

ここまで部下が言うことを聞いてくれない時の対策やその原因などについて詳しく紹介してきましたが、上記の対策をしても、それでも全く話を聞いてくれない部下もまれに存在します。

そのような部下に対応するにはどのような対策が必要なのでしょうか、それぞれ紹介します。

その部下のことは諦める

何をしても話を聞いてくれない場合は、もはやその部下のことを諦めてしまった方が良いかもしれません。

もちろん、直属の部下である場合や2人だけでプロジェクトを進めている場合は難しいですが、複数人のメンバーがいる場合は、言い方は悪いですがその部下は諦めて他のメンバーの育成・フォローに回る方が効率的です。

どのように接してもどうしようもない人は存在するため、リソースを効率的に使うようにしましょう。

その部下に対して過度に時間やエネルギーを費やすことは避け、他のメンバーに注力することが賢明です。

上司としての役割は全ての部下を平等に扱うことではありますが、現実的には全ての部下が同じように成長し、同じように努力するとは限りません

問題になる部下に過度に執着せず、他の部下の育成に力を注ぐことでチーム全体のパフォーマンスを向上させられます。

部下を諦めることは決して簡単ではありませんが、上司としてのリソースを有効に活用するためには必要な判断なのです。

「好かれる」ことは諦める

好かれることを諦めることも有効な手段の1つです。

信頼さえあれば、嫌われていても「この人は仕事ができるし、上司だから言うことを聞かないと」と思わせられるため、言ってしまえば「勝ち」です。

部下からの好意を得ることよりも、信頼を築くことに重点を置きましょう。

上司の役割は部下に好かれることではなく、信頼され、的確な指示を出し、行動させることです。

部下からの好意を得ることに執着すると、指示やフィードバックが曖昧になってしまいます。

しかし、信頼関係が築けていれば、部下は上司の指示に対して素直に従うことができます。

業務のパフォーマンスを向上させるための具体的な指示やフィードバックを行い、部下に対し一貫した態度を示すことが重要です。

また、上司自身が誠実に業務に取り組み、公平な判断を行うことで部下からの信頼を得ることも十分に可能です。

好かれることを諦め、信頼関係を築くことに注力することで、部下は指示に対して柔軟な姿勢を持つようになるでしょう。

原因を分析して部下と良好な関係構築を目指そう

今回は、部下が言うことを聞いてくれない時の原因をまず上司が悪い場合と部下が悪い場合に分類して紹介した後に、それぞれの対処法について詳しく紹介しました。

残念なことに、現代においては上司の言うことや話を全く聞いてくれない部下も存在します

そのような場合は、本記事で紹介した対策を行うことも重要ではありますが、時にはその部下本人を諦めなければならないこともあります。

しかし、どれだけこちらが努力してもどうしようもない部下もまれにいるため、自分のことを過度に責めすぎず、割り切って、「自分が仕事において目的を達成するにはどうすれば良いか」について考えるようにしましょう。

隼人パパ

元銀行員コンサルタント。
銀行員時代に培った金融知識と1000名以上の経営者と商談した経験を活かし、個々人のより良い生活はもちろん、企業をより良い場所にすることで、そこに属する従業員の幸福を実現するサポートをします。
≪資格≫ファイナンシャルプランナー、生保募集人資格・損保募集人資格、内部管理責任者 他

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