「憧れの銀行に入社したものの、いざ働いてみると想像以上に仕事がキツい…」
「ワークライフバランスを改善したいけれど、どうすれば良いかわからない」
「最低でも3年は勤めろとよく言われるけれど、それでも辛い」
このような悩みを抱えている新入社員の方は多いのではないでしょうか。
どんな会社に勤めても同じような境遇の人はいますが、特に銀行員に多いと言えます。
- 社会的信用力
- 銀行ドラマ
- CM
これらによって第三者による銀行のイメージは創られており、そのイメージは銀行の実情より楽しく描かれています。
しかしながら実際に銀行で働いてみると想像以上に泥臭かったり、仕事量が多くて残業したいけど必要な残業時間を確保できず日中ほぼフルスロットルで仕事をしている、帰ってからも仕事のことを考える、社会のイメージほど収入がよくないなど、当初イメージとギャップを抱く人が多くいます。
そこで今回は、銀行にお勤めの方がワークライフバランスを改善する方法や、3年以内に転職する際のメリット・デメリットについて詳しく紹介していきます。
新入社員が仕事をキツいと思う理由
まず、仕事をキツいと思う理由について考えていきましょう。
漠然と「仕事がキツい」とは思っているものの、言語化できていない方も多いでしょうから、まずは何が辛いのかについて分析することが大切です。
そもそも想像と業務内容が違う
どれだけ企業研究を行っていても、そもそも想像と業務内容が違うことは往々にしてあり、銀行業界特有のものではありません。
入社前に説明された業務内容と違うことを任されることもありますし、たとえ想像通りの業務内容であったとしても、いざ働いてみると難しいこともあります。
「想像していたよりも責任が重い」「業務のプロセスに納得できない」など、いざ働いてみるまでわからないことは多くあるでしょう。
特にお金を扱う銀行は他の一般企業より責任を重く感じ、業務プロセスが手堅いためそう感じる方は多くいます。
仕事を覚えられない
銀行業務は多岐にわたることから、一朝一夕にして覚えることはできません。
先輩・上司に叱られてばかりでは自身を失くすかもしれませんが、時間を重ねるごとに仕事を任せられるのは「そのレベルまでは任せて良いと信頼されている証です。
とはいっても、仕事量が増えて抱えきれなくなり、病んでしまう人もいるので注意が必要です。
人間関係がうまくいかない
新卒の方が仕事をキツイと思う最たる理由が、人間関係がうまくいかないことでしょう。
すべての会社に当てはまるわけではありませんが、一人くらいは「合わない人」が居ることが多いです。
自分と合わない人が直属の上司、または一緒に働く同僚になってしまった場合、毎日のようにストレスを抱えながら働くことになるでしょう。
人間の悩みの多くは突き詰めれば人間関係の悩みに帰結することも多く、仕事における人間関係のストレスは、自分が思っている以上に負担となっていることも少なくありません。
そう考えると、銀行は良くも悪くも人事異動により職場の人間関係をリセットできます。
給料が見合っていない
いざ働いてみて、任される仕事の多さや責任の重さ、人間関係のトラブルなど、ストレスを感じているにも関わらず、それに給料が見合っていないと感じる人も多いでしょう。
特に新卒で入社した場合、給料が低いです。銀行は他の民間企業に比べ、若い頃の給料が低く抑えられています。
しかし出世をすると給料がグンと上がります。給料を上げたければ仕事で評価されることが必要です。
社風が合わない
「企業分析が足りなかったから、自分が悪い」と思う人も多いかもしれませんが、社風が合わず、辛い思いをしている人も少なくありません。
確かに原因は自分の企業分析が足りなかったことにあるかもしれませんが、いくら調べても外面だけを良く見せている企業もあり、銀行も決して例外ではありません。
いざ働いてみて、社風が合わない場合、強烈なストレスを抱える人も少なくありません。
人には「合う・合わない」があります。理想としては入社前に見抜くことですが、もし見抜けなかったとしても、企業側に原因がある場合もあるので、自分を責めすぎないことが大切です。
将来のビジョンが持てない
成長や自己実現を就活の軸に据えていた人にとって、いざ入社してみたところ、将来のビジョンが持てないことのストレスを感じる場合もあります。
現代は転職や独立も少なくない時代であり、企業で成長し、より待遇の良い企業への転職や独立を考えている人にとっては単純作業などは苦痛でしかありません。
かなりマシにはなってきているものの、日本はもともと年功序列の考えが根強い国です。企業によってはいくら成績を残しても、在籍年数で昇進を決めるところもあります。
特に銀行は、昇進条件にトータルの在籍年数や現在のポストでの経験年数を設けているところが大半です。
「どんどん結果を残し、昇進するぞ」という気概に満ち溢れている人にとって、このような環境は将来のビジョンが持てず、ストレスが溜まる場でしかないでしょう。
ワークライフバランスを改善する方法とは?
仕事が辛いのは大前提として、少しでもワークライフバランスを改善する方法について考えていきましょう。
全て実施するのは難しいかもしれませんが、何か一つでも変えるだけでストレスが大幅に軽減できる可能性もあります。
職場の近くに引っ越す
通勤に往復で1時間以上かかっている場合、職場の近くに引っ越すのもおすすめです。
転勤が定期的にある銀行員の方でしたら、いっそのこと在籍期間中限定で引っ越すのもありかもしれません。
例えば、会社まで往復で1時間半かかる場所に住んでいる人が往復30分の場所に引っ越した場合、1週間で累計5時間、1ヶ月で20時間以上短縮できる計算になります。
そもそも職場が近い方や、電車で座れる、かつ動画視聴、読書、勉強など有意義に過ごせている方には必要のない対策かもしれませんが、時間を生み出す対策としておすすめです。
営業エリアが決まっており、ある程度中心の位置がわかるようでしたら、持ち家を検討することもありです。家賃と違い、住宅ローンは返済すればするほど純資産が増えます。
早寝早起きを心がける
仕事が辛い人の中には「帰宅が遅く、家事や食事などをこなしていたら深夜になっていて、朝はギリギリまで寝てしまう」という人も多いでしょう。
しかし、可能な限り早寝早起きを心がけることで時間を生み出すことができ、体調も改善する可能性があります。
仕事が嫌な人にとって「一日の始まり」は本当に嫌なものであり、もう眠れないほど睡眠を取っていてもベッドから出れない人も多いはずです。
しかし、決まった時間に起きることで自律神経が整い、ある程度メンタルが回復する可能性もあります。
自律神経が整ったところで、仕事が嫌でなくなるわけではありませんが、憂鬱で仕方ない気持ちが少しでも減るかもしれません。
また、頭が働いている朝に自分の好きなことや勉強、読書に時間を使うと生産性も高いです。
自分の好きなことをする
「自分の好きなことをする時間なんて無いよ」という声が聞こえてくるかもしれませんが、無理矢理にでも自分がやりたいことをする時間を確保するようにすれば、意外な「無駄」を可視化できるかもしれません。
現代は便利なものも多いですが、同様に時間を奪うものも多いです。
目的を持って利用する場合は置いておいて、特に理由も無くSNSやYouTubeを観ていたら30分経っていた…という人も多いでしょう。
そのあまり有意義とは言えない時間を、自分の好きなことに割けないか考えてみることも大切です。
レジャースポーツなど、スキマ時間に取り組むことが難しい趣味もありますが、何か自分をリフレッシュさせられることが無いか、考えてみましょう。
目標を立てて、仕事に熱中する
仕事そのものに対する考え方を変えてみるのも、ワークライフバランスを考える上で重要です。
目先の業務に振り回され、入社当初の目標を見失ってしまっている人も多いでしょう。
就活生の頃、自分はどのような目標を持っていたのか、将来はどのようになりたいと考えて、希望を持っていたのかについて考えてみることが大切です。
これにより、自分のやりたいことや仕事における目標が明確になることもあります。
「半年でプログラミング言語を一つマスターする」でも「営業で〇〇件制約を目指す」でも良いので、自分の中で数値化された明確な目標を立て、取り組むことができれば、少しでも仕事が楽しくなるかもしれません。
「新人だからできなくても仕方ない」とある程度割り切る
会社の人の中には「どうしてそんなこともできないんだ」「前に教えただろう」と怒ってくる人も居るかもしれませんが、あなたは新人であり、何年も働いている社員と同じ水準で働くことができなくて当然です。
もちろん、いきなり活躍できるスーパーマンも稀に居ますが、多くの人は初日から即戦力として働けるわけではありません。
しかし、人は自分が新人の頃を往々にして忘れてしまう生き物なので、新人であるあなたを責めることもあるでしょう。
もちろん、指摘された時に「私は新人だから仕方ないだろう!」と反応してしまうのは良くありませんが、自分の心を守る手段として、謝りながら「新人だから仕方ない、大丈夫」と自分に言い聞かせるのも選択肢の一つです。
辛いことを書き出してみる
仕事において精神的なストレスを抱える人の中には、何が辛いのか自分でよくわからない人も多いです。
そこで、何が仕事においてストレスなのか、一度書き出してみましょう。
書き出してみることで、「意外と大したことない悩みだな」とスッキリするかもしれません。
また、具体的な解決方法がわかることもあります。
ただし、辛いことを書くことすらできない、または書いているだけで涙が出てきてしまうような状態の場合、適応障害などを発症している可能性が高いので、一度病院に行った方が良いです。
「精神科に行くのは怖い」という人も居るかもしれませんが、適応障害は誰でも発症しうるものなので、我慢せずに一度病院に行き、場合によっては傷病手当金をもらいながら休みのも良いでしょう。
人間関係の改善に取り組んでみる
ワークライフバランスを改善する方法として、人間関係の改善に取り組むのも良いでしょう。
ここからは職場における人間関係を改善する方法について解説していきます。
相手の立場になって考えてみる
上司に怒られる、同僚から嫌われているなど、人間関係に悩みを抱えている場合、一度相手の立場になって考えることが大切です。
上司はただストレス発散であなたを叱っているのかもしれませんし、同僚はあなたが羨ましくて嫌っているのかもしれません。
このような結論に至った場合は、「残念な人だな」と割り切ってしまうのも良いでしょう。
一方、残念ながらあなたが原因で問題が生じていることもあります。
辛いかもしれませんが、相手に嫌な反応をされた時のことを、相手目線で振り返ってみて、何か自分の行動に問題が無かったか考えてみましょう。
もし自分の行動に心当たりがある場合、改善してみて、何か変化が無いか試してみることも大切です。
「仕事だから」と割り切る
「それができないから悩んでいるのだ」と思う人も多いかもしれませんが、仕事における人間関係のストレスの原因が完全に相手側にあり、完全の余地が無い場合は「仕事だから」と割り切るのも良いでしょう。
仕事に強い情熱を持っている、仕事を通じて夢を叶えたい方には難しいかもしれませんが、「ここにはお給料をもらいに来ているだけだ」と割り切れる人は、心を無にして働くのも選択肢の一つです。
「この人は自分がお金をもらうために現れる、面倒な事象の一つ」と割り切れる人は、もはや割り切ってしまっても良いでしょう。
部署の異動を人事部に依頼してみる
人間関係が本当に辛く、もはや今の部署では働けないと判断した場合、部署の移動を検討してみましょう。
学生時代から目指していた、本当にやりたいことに取り組んでいる場合は辛いかもしれませんが、特にそういったわけではない場合、「戦略的撤退」も選択肢の一つです。
部署の異動を人事に依頼する場合、必ずと言って良いほど理由を尋ねられます。
この際、臆せずに真実を話せば、「相手が悪い」と判断され、部署の異動はせずに、労働環境だけが改善されることもあるでしょう。
パワハラの場合は人事や労基に訴える
人間関係がどうしても辛い、しかもそれがパワハラが原因である場合、人事はもちろん、労働基準監督署に訴えるのも選択肢の一つです。
人事に相談して、対処してくれればそれで問題ありませんし、対処してくれない場合は労基に相談するしかありません。
労基は守秘義務を守ってくれるので、あなたが労基に通報したことが会社側に伝わることは基本的に分かりません。
確かに、パワハラの対象があなただけだった場合、「あの人が通報したに違いない」と思われること可能性が高いです。
しかし、そこまでわかっているのに守ってくれない会社である時点で、そこで働く価値はあるでしょうか。
労災保険金と慰謝料などをもらって退職し、そのお金で心と身体を休めながら新しい職場を探した方が良いでしょう。
どうしても辛い場合は転職も視野に入れる
どのように努力しても、現在の職場環境や仕事内容が自分に合わないと感じることもあります。
こういった場合は転職を視野に入れることも一つの選択肢です。
転職を考える際には現在の職場での経験が次のステップにどのように活かせるかを考え、自分のキャリアビジョンに合った職場を探すことが重要です。
また、転職活動自体がストレスにならないよう、焦らず計画的に行うことも同様に大切です。
計画的に、そして失敗を踏まえた上で企業を探すことで、働きやすい環境を手に入れることができるでしょう。
3年以内に転職するのは悪手?
先輩や家族、親戚などに「少なくとも3年は同じ会社に勤めろ」「石の上にも3年」と言われ、「とりあえず3年は我慢しなくてはならない」と考えている人も多いでしょう。
しかし、「俺の時代は〜」と自慢げに言ってくる人のほとんどが、何十年も前に会社員になった人であり、現代の考え方に則していません。
そもそも「3年」という基準は誰が言い出したのかも不明ですし、何か理由があって「3年」とよく言われるわけでもありません。
よって、無理に3年間、我慢して勤め続ける必要はありません。
とはいえ、短期間で転職することにはメリットだけでなく、デメリットも存在するので、それぞれ詳しく紹介していきます。
メリットとデメリットの両方を踏まえた上で、これからの自分のキャリアを考える材料の一つとしてください。
3年以内に転職するメリット
まずは3年以内に会社に見切りをつけて転職するメリットについて紹介していきます。
「3年以内に転職してしまうのは良くない」が日本の常識とされていましたが、いざメリットを考えてみると、そうでもありません。
第二新卒の求人に応募できる
3年以内の転職ならば、「第二新卒」として企業から歓迎される企業もあるでしょう。
若く、フレッシュな人材を採用したいと考えている企業、もしくは、短い期間とはいえ、業務経験のある人材を採用したいと考えている企業にとって第二新卒は魅力的な人材です。
ある程度社会人経験がある一方で、まだ柔軟性や成長の余地が大きいと評価されるからです。
第二新卒の募集、それもこれまで働いていた企業と同じ業界ならば、歓迎される可能性が高いでしょう。
まだ未経験の職種にも応募できる可能性がある
新卒入社から数年以内の退職ならば、IT業界など、未経験の人材を採用する傾向にある業界を中心に、未経験の職種に応募できる可能性があります。
未経験でも採用してくれる企業は経験よりもポテンシャルや適応力を重視する傾向があり、熱意や学ぶ姿勢を見せることで未経験領域でもチャンスを掴むことが可能です。
「いざ働いてみたけれども、会社はもちろん、仕事の内容も自分には合わなかった」という方は未経験の職種に応募してみるのも良いでしょう。
ワークライフバランスを改善できる
ワークライフバランスの取れていない会社で働いていた人ならば、「次こそワークライフバランスの取れた会社で働くんだ」という意思があることでしょう。
よって、これまで働いてきた企業の特徴を踏まえた上で、福利厚生や休日が充実している企業を選ぶことができます。
本記事をご覧になっている人の多くがワークライフバランスの改善を目的としているでしょうから、このメリットは非常に大きなものと言えます。
3年以内に転職するデメリット
3年以内に転職しても致命的な問題が発生するわけではないということがわかったところで、ここからはデメリットについても紹介していきます。
当然ながら早期退職にはデメリットもつきものなので、確認していきましょう。
「忍耐力が無い」と思われる可能性がある
多くの人が想像できていることかもしれませんが、早期退職をしてしまった場合、面接の際に「この人が会社を辞めた理由は、ただ忍耐力が足りなかっただけではないのか?」と思われてしまうこともあります。
企業側に理解があったとしても、未だに「3年は勤めろ」という考え方は日本において根強く、当然ながら人事もその概念を知っていることでしょう。
可能な限り前職の悪口にならないよう「成し遂げたいことを達成できるビジョンが持てなかった」「自分とは方向性が違っていた」など、オブラートに包んだ言い方をしつつ、会社を辞めた正当性が伝わる話をすると良いでしょう。
退職金がもらえない可能性がある
残念ながら、多くの企業は3年以上働かないと退職金を支給してくれません。
もちろん1年程度の勤務でも退職金を支給してくれる企業はありますが、もらえない可能性が高いと考えた方が良いでしょう。
どうしても退職金が欲しい場合は、あらかじめ会社側に退職金について相談することをおすすめします。
スキルが身につく前に転職することになる
企業でスキルを身につけ、ステップアップを目指している人の場合、3年では短い可能性もあります。
もちろん、短期間で大きく成長できる人も居ますが、短い期間では「次の職場で、即戦力として活躍できる」ほどのスキルが身につかない人も居るでしょう。
「どうしても、今すぐに辞めたい」という場合は仕方ありませんが、もう少しでスキルが開花する感覚がある場合は、少しだけ耐えて、今の会社に勤めるのも選択肢の一つです。
自分なりの対策をして、仕事のキツさを改善しよう
今回は新卒で、仕事がキツいと感じている方向けに、辛い理由の分析やワークライフバランスの改善方法、もし仕事を辞めるならばどのような点に気を付けるべきかを解説してきました。
本記事で紹介したように、どうしても今の仕事が辛いならば、辞めるのも選択肢の一つです。
しかし、少しの工夫でワークライフバランスを改善し、仕事に前向きに取り組めることもあります。
ぜひ本記事を参考に、あなたのキャリアがより良い方向に向くよう、できることから取り組んでみてください。
コメント