これから銀行に就職しようとする人は、どのように1年が経過するか知っておきたいことですよね。新たな環境でワクワクすることもあれば不安があるのも当然です。
今回は銀行員の1年について、説明していきます。極力店舗全体の風景を描くつもりですが、営業担当としての経験が長かったため、営業係寄りの徒然日誌に感じてしまうかもしれませんので、是非参考にしてください。
第一四半期(4~6月)
- 昇格・人事異動・新入行員配属・退職等、人の出入りが盛ん。
- 新たな年度目標が設定される。
- 世間が言うGWはありません。カレンダー通り出勤するだけです。
人の出入り
春はとにかく人の出入りが多くあります。昇格により新しいポストでの仕事、人事異動により新しい環境や担当で仕事する人等、環境の変化が多くあります。新入行員も春に配属されるところが大多数だと思いますが、店舗で勤める人の楽しみですよね。
- 新入行員、かわいい子来ないかなー
- 早く最年少脱出して、雑用から逃れたい…
- あの鬼上司早く異動でいなくならないかなー
- 異動で新しく来る人、どんな人だろう
人の出入りはワクワクすることもあり、同時に不安でもあります。新入行員の配属は楽しみしかないです。配属の前に支店長の元に写真付きの行員調書が届きます。支店長の人柄次第ですが、部下にも見せてくれる支店長尾いるため、大体そこで一盛り上がりします。
異動で着任する人は、新たな職場で2~3年は過ごすものです。入れ違いになる人もいれば、時期ががっつりかぶる人もいます。そこで、良い人間関係が築けそうな人であれば良いのですが、一癖二癖ある人だとこの先不安ですよね。
異動の内示発表後、職場に初お披露目までは、『新しく来る人どんな人?』『普通の人?』『やばい人?』『あの人知っている!』など、探りを入れる話題で盛り上がります。
新たな目標に向かってスタートする時期
春は新たな目標に向かってスタートする時期です。
年度末まで必死になって目標数字をこなすために営業してきた人は、4月になると燃え尽き症候群になる人もいます。一息ついたら、また新たな目標設定されるため、また頑張る必要があります。
夢と希望を打ち砕くかもしれませんが、年間目標達成に向け4月から営業で頑張ってやっとの思いで3月末(年度末)に達成しても、4月にはまた新しい年間目標が設定されます。その繰り返しです。
ゴールデンウィーク
カレンダー通りの出勤です。4月29日、5月3~5日の祝日、土日以外は出勤です。世間が言う10連休とか、基本的に無縁の世界です。カレンダーの組み合わせが悪いと、長くても3連休です。
ちなみに普段銀行に来ることができない人が多く来店します。
- 帰省がてら口座を解約しに来た。
- 印鑑がどれか分からない。
- 住所変わったけど、免許証の住所変更していない。
など、手間はかかるけど儲けにならない来店が多く、銀行ならではの手堅い事務規定に沿って手続きを案内した結果、プチ爆発を起こす人も一定数います。
ただ、普段会えない顧客に会えるのだから営業のチャンスととらえる上司がいます。現場がパンクしているのを見ていながら、状況を理解していません。
そして、稀にいる空気を読めない鬼上司が言います。
『普段会えない人が自宅にいるわけだから、こんな絶好の営業チャンスはない。
GWの中日、休日出勤してローラー活動しようか。
地獄です。
第二四半期(7~9月)
- 夏季休暇を順番で取得。
- 仮決算。
- 特別な出来事は大してない時期。
夏季休暇
銀行では不正防止の観点も含め、5営業日連続で夏季休暇取得を推進するところも多くあると思います。行員側の立場を考えても、ワークライフバランスを考える上で大変良い取り組みと言えます。
そうは言っても、銀行の窓口にお盆休みという連続休暇はありません。あくまでもカレンダー通りの営業であり、業務が支障が出ないような体制を整える必要があります。
係別・行員別で、いつ誰が休暇をとるか話し合いが行われて決まるものであり、自分だけの事情でないことから必ずしも希望通りの日程が通るとは限りませんが、折角の長期休暇ですので、国内の遠出や海外旅行など通常の土日ではできないことをやりたいですよね。
もし、他の店舗の同期と旅行に行きたいなど予定があれば、倍率が高くなるお盆前後より、7月や9月など休暇希望者が少ない時期を選ぶと、皆で予定を合わせやすいかと思います。
仮決算
仮決算は目標進捗に目途を付ける必要があり、繁忙期になります。目標に向けて実績の進捗が悪いとある程度の形にするため、営業活動を目的とした残業も増えてくる時期です。
第三四半期(10~12月)
- 地域の祭りへの参加。
- クリスマス・忘年会など、年末の行事が多くなる。
- 4月同様、人事異動シーズン
地域の祭りへの参加
地域の祭りは秋をピークに夏頃から始まります。銀行の店舗自体が協賛を依頼されたり、取引先から協賛を依頼されたり、整備スタッフとして出動を依頼されたりする可能性があります。
地方銀行や特に信用金庫など地域に根付いて営業しているところは、地域貢献の一環として積極的に行う方針のところも多くあります。
基本的にこの出動はボランティア対応であり、給料はおそらく発生しないでしょう。祭り好きの人にとっては良いかもしれませんが、そうでもない人にとっては面倒なイベントとなるかもしれません。
面倒な年末行事
年末はイベントがたくさんあります。楽しみな一方で、中にはこのイベントが原因で頭を悩ませる人もいます。
- 忘年会の会場を取引先のどこにするか?
- お歳暮やお年賀の品を取引先のどこで買うか?
- クリスマスケーキを取引先のどこで買うか?
これは『取引先のどこで?』というところがポイントです。このような飲食店や小売業の顧客は、イベント時に取引先の銀行がユーザーとしてどれくらい積極的か確認しています。いや、取引があるから、こういったイベントの時ぐらい売上に貢献してくれと考えています。
営業マンとして、このような取引先を担当すると大変です。複数担当するとバランス調整も面倒です。
- そろそろ忘年会シーズンだけど、今年は他の店でやるの?
- ケーキ、お歳暮、お年賀の注文少ないね。
- 売上に貢献してくれないなら、おたくの銀行とは取引やめよっか?
このような揺さぶりがあるのも事実です。
個人的に取引解消しても良いと思っているような顧客こそ、取引解消を武器に揺さぶってきます。かと言って、売り言葉に買い言葉で返すと苦情に発展したり本当に取引解消に至り、上司から尋問が行われる原因になります。
一顧客に対して担当者がどう思っていようと、どんな顧客でも大切な顧客であるのが銀行です。余計な面倒に巻き込まれないように、少々の面倒はそつなくこなすのが腕の見せ所です。泣く泣く顧客の売上に貢献するか、割り切って対応するか考えましょう。
楽しい年末行事
年末行事が時に面倒なこともありますが、それでも楽しいのが年末行事です。
人脈が広い方だと、忘年会も忙しくなると思います。店舗全体・店舗内の担当係別・同期・その他行内で付き合いがある人などなど、この時期は忙しくなりますが、日ごろのストレスを発散する機会でもあります。
クリスマスは恋人と過ごしたりと楽しいことが山ほどありますので、どうせなら楽しみましょう。
第四四半期(1月~3月)
- 初詣
- バレンタインデー
- 3月は決算期
初詣
銀行はカレンダー通りですので、年末年始休暇は12月31日~1月3日の計4日間。ここに上手く土日がつながるか、あるいはこの4日間の中に土日が入ってしまうかで休暇の長さが変わってしまいます。
年始の営業は内勤者が店舗を回すのに対し、取引先の会社がまだ営業していないことも多いことから営業マンは初詣に行くケースが多いかと思います。神社にお参りに行った後、少し豪華な昼食をとり、内勤者にお土産を買っていくなど、楽しい1日になると思います。
バレンタインデー
店舗勤務の方ですときっと女性行員がお金を集めて、男性行員全員に一人ひとりチョコレートをプレゼントしてくれるでしょう。そして男性行員がまたお金を集めてホワイトデーにお返しします。
男女それぞれ最年少の行員が買い物の役割を担うでしょう。
また、行内便もチョコレートで溢れます。行内便を仕分けると、誰がチョコレート何個受け取り、誰が受け取っていないか等、男性人気の序列も分かります。
デリケートな問題なのでそっとしておきましょう。
3月・決算期
いよいよ決算期です。年間目標を達成させる必要があります。
- まだ目標に到達していない店舗はどうやって目標を達成するか?
- すでに目標達成した店舗は、如何に翌年度(4月以降)に繰り越すか?
このような、目標必達に向けて3月中に成約するよう壮絶な詰めがある一方、達成したら達成したで今度はどうやって成約を4月以降にずらすか、結構面倒くさい時期でもあります。
最近の銀行の目標は結構厳しいので、終わったら自分にご褒美をあげたり、職場の同僚とお疲れ様かいをして、リフレッシュしてください。
また、4月になったら新たな目標が振りかかってきます(笑)
まとめ
いかがでしたか?銀行の1年間について大まかに理解してもらえたのではないかと思います。
銀行員の仕事は決して楽ではなく、大変なことがあったり、時に仕事内容がきついこともあるかと思いますが、イベントは楽しくできる組織だと思います。
そして、人間関係は結構重要です。上下の関係、横の繋がりそつなくこなすことが銀行での処世術です。ストレスの大半が人間関係だと思いますが、良好であれば銀行という職場は働きやすいものになるでしょうし、当然その逆もあります。
中には癖がある人・嫌な人間関係があるかもしれませんが、自分や周りの人が移動することで環境が変わり、改善されることがあります。同時に働きやすい環境であったり人間関係が良好でも、いつまでもつづくとは限りません。
ただ、何をやるにしても出口は意識しておく必要はあると思います。職場環境が良い方でしたら、次の人事異動に備え心の準備をする必要がありますし、まさに今耐えている人でしたら、出口が見えないとやってられませんよね。
常に先を見据え、皆さんの銀行員生活がより充実したものになるよう祈っています。
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