これから地方銀行・信金に入社するけど、どのような生活が待っているのか気になるという人はいますよね。
こちらの記事では銀行員の1年を大まかに書きましたが、この1年という期間は1ヶ月の積み重ねであり、1ヶ月は1週間の積み重ね、そして1週間は毎日の積み重ねです。
今回は銀行員生活がどのようなものか、よりミクロな視点で確認していきたいと思います。
営業店全体像を書くつもりですが、元営業マンなのでどうしても営業担当寄りの記事になる部分がありますのでご了承ください。
銀行員の1日
銀行員の1日はカレンダー通り、例外なくやってきます。
世間がGWで長期休暇だろうと、世間がお盆休みだろうと、関係ありません。銀行員の休みはカレンダーに記された土日祝日だけであり、例外はありません。
1日の始まり~午前
- 店舗周辺の掃除。(銀行駐車場は割とタバコの吸い殻・空き缶などポイ捨てが多い)
- 格納してあった書類を金庫から出す。
- 当日要処理のオペレーション等事務処理。
- 朝礼・係別ミーティング。
銀行の店舗はこれらのことをやった上あるいは一通りやり終えたところで、シャッターを開ける必要があります。
始業時間は8時30分が定時というところが多いかと思いますが、さすがにオープンまでの時間30分で、これらの業務をこなすのは困難です
内勤者は金庫から膨大な書類やキャビネットを一通り取り出して、当日処理を仕分け、オペレーションをする。
営業担当者であれば、金庫から書類を出して、前日の訪問結果・実績・当日の訪問スケジュールなどファイルを整理し上司に回覧。そして、9:00を過ぎても営業店舗内に残っていると、
『なんで外に出ないんだ!?』『朝の準備に時間かけすぎじゃないのか?』
と叱られる始末。
『いや、無理でしょ!?』と言いたくなる気持ちをぐっと抑えて始まる1日。
朝礼は無駄に話が長い支店長の話を聞いて、司会者のスピーチ聞いて、コンプライアンスの唱和をして10~15分、係別ミーティングで当日の目標すり合わせや要伝達事項の確認で5分、そしてなぜか途中でミーティングに首を突っ込んでくる支店長と次席者の話を5~10分ぐらい聞いて。。。
残り自分の仕事に充てられる時間は5~10分ぐらいしかありません。そりゃ無理ですよね?でもやるべきことはしっかりやらなければいけないのが銀行員です。
ここでふと気づく人はいるかもしれませんが、銀行の仕事って始業の30分前に始まっているんじゃないの?と勘が鋭い方がいるかもしれませんが、ご名答!正解です。
ちなみにこの始業前の勤務について、なぜか時間外手当が出ないのが普通になっています。
- えっ!?うちの銀行は手当がついているよ?
という方も中にはいるかもしれませんが、あなたがお勤めの銀行は良いところ?いや、普通の職場です。これからも頑張って継続してください。
そして、今時間外が付いていない異常性に気付いた人、勇気があれば上に直訴してください。
日中の営業活動
銀行に行ったところ、ロビーに他の来店客はいないのにやたらと待たされたという毛県がある人いませんか?
基本的に窓口に配置している行員は最少人数です。数人の来店があるだけで、窓口業務は滞ってしまいます。
最少人数で営業しているのは窓口だけではありません。営業マンも同じです。目に見えて営業人員を減少しているところは少ないと思いますが、やるべきノルマや担当顧客数は明らかに増えているのに、営業人員は増員しない『ステルス人員削減』が進んでいるところがあります。
当日しかスケジュール調整できない先があるのに、朝早く営業店から出発するよう急かされ、しかも当日20件ほど面談してくるよう指示されます。入念な準備ができないとキツイと感じることもあると思います。
ただ、上司も必死なんです。上役はさらに上役から詰められるのです。
営業のイメージとして、朝の準備にもたついているよりはスタートダッシュしている方が見ている側としても気持ちいいというか、仕事ができる印象ですよね。
当日の準備は当日しかできない事の最小限に抑え、基本的には前日に済ませておくように心がけましょう。
昼食
内勤担当者は窓口に人がいないということが無いように交代で、営業担当者は午前中の活動が終了し帰店後処理をひと段落させた後、食事休憩に入ります。
内勤者であれば店舗の混み具合であったり急な来店で、営業担当者であれば次の予定が何時から入っているかで休憩がフルでとれないこともあるかと思います。
でも、その後取り損なった休憩時間はあとで追加でとってくださいね。
労働時間・休憩・休日関係|厚生労働省 (mhlw.go.jp)
午後~15時(閉店)
昼食を終えた後、内勤者も営業担当者も業務に戻ります。
方針にもよりますが、基本的に午前だから午後だからといってやるべきことに大きな違いはありません。
しかし、内勤者には15時にシャッターが閉まるという一大イベントがあります。
まず、15時までにやるべきことは窓口に来店されたお客様の振込手続きを完結させることです。
自行内への振り込みは融通が効きますが、他行への振込は銀行同士のシステムが稼働している時間内に終わらせる必要があります。
- 閉店間際でも受付待ちのお客様がロビーで待っている。
- 受け付けた振込依頼書の処理が膨大すぎて処理が間に合いそうもない。
こんな時は結構ひやひやします。焦っても事務処理能力が上がるわではありません。忙しい時こそミスをしないように正確な事務処理を心掛けましょう。
ミスのリカバリーは、通常の作業以上に時間を要します
15時~終業
内勤者にはもう一つ乗り越えるべき壁があり、本部への書類の持ち出しというイベントが毎日あります。その日に発生した書類で2次処理が必要な書類で全店舗で発生するような書類は、特定の部署が集約して処理を行います。
その書類を本部に届けてくれるのが行内便であり、それに間に合わせる必要があります。事務処理が膨大な日は結構大変で、店舗内は戦々恐々とした雰囲気になることがあります。
しかし、それさえ乗り越えれば、あとはルーティンワークです。お菓子好きな中堅女性行員がおすそ分けしてくれたりと、少し雰囲気が和らぐ瞬間でもあります。
営業担当者は16時~遅くても17時には店舗に帰ってきます。だいたいは16時30分までには帰ってきます。
帰店後は当日の活動の締め作業、当日の成果の報告、翌日の準備です。
特に当日の成果の報告の時間が平穏に過ぎるか地獄のような時間になるかは、あなた自身の実績であったり仕事への取り組み方が影響します。あとは他力本願ですが上司の人柄による部分もあります(笑)
そして、翌日のスケジュール組み立てを如何にやるかが腕の見せ所で、実力がはっきりする部分のワンシーンでもあります。
また、当日の情報交換も重要な仕事です。同一係内・係外問わず、今日の出来事・相談事嬉しい報告・悔しい報告を共有できるような情報交換が活発なチームは強く、その雰囲気を積極的に作り上げている中心人物は高く評価されます。
銀行員はアドバイスを送ったり送られたりすることでチームとしての成績を伸ばしたり、時に傷のなめ合いをすることでうっぷんを解消していますので、情報交換は積極的に行いましょう。
銀行業務はルーティンワーク
- 仕事を効率よく行うために見直すポイントはないか?
- いつもやたらと時間を割いてしまう業務はないか?
- 営業が上手くいく時といかない時、何か共通点はあるか?
- 上司の沸点はどこにあるか?
- 上司はどこに評価の重きを置いているか?
銀行員の1日は終わり、また一晩立てば同じように1日が始まります。
難しそうに見える銀行業務も紐解いてみればルーティンワークの積み重ねです。
接客スキル・営業スキルも業務を経験することでスキルアップが図れます。
厳しい上司が怒ってくるポイント、逆に評価されるポイントもどこかしらで共通点があるはずです。
改善すべきポイントは山ほどあるのに、何も考えずただ時間が経つのを待つだけの銀行員生活を送り、気が付いたら10年前・20年前と比べ全く成長していないベテラン行員もいます
一方で毎日の業務は本質的な部分では似通ったことをしているため、毎日しっかりと目標を持って、着実にブラッシュュアップしていくことで成長・やりがいに繋がっている銀行員もいます。
どちらを選ぶかはあなた次第です。
まとめ
- 毎日のブラッシュアップが充実した銀行員生活を送る上でのポイント
1つ目のブラッシュアップは先ほど説明した通りです。
『銀行員生活を終えるタイミングで社会から一定の評価を得たい』と考えている人は、しっかりと成長でいるように頭を使って仕事に取り組みましょう。
ご自身の努力次第で何とかなる部分です。
- 人間関係は結構重要。
逆に2つ目の人間関係は、ご自身の努力次第で何とかなる部分でもあり、なんともならない部分でもあります。
銀行店舗は結構閉鎖的な環境で、人間環境は働きやすさに直結します。良好な人間関係を築けるようにしましょう。そして、良くも悪くも異動で定期的に人間関係に見直しがあることも理解しておきましょう。
以上、銀行員の1日と銀行員生活を送る上でのポイントを挙げました。是非とも参考にしてくださいね。
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