雨にも風にも負けず 銀行・信金・信組・農協の営業マンのタフな1日

銀行員 銀行

今日も道路を見渡せば、四方八方へ駆け抜ける地元銀行・信金・信組・農協のカブ。毎日ご苦労様です。

一般的に銀行の営業は大変な印象を持たれていますが、私を含めた多くの経験者も同様、大変であると口をそろえて言うかと思います。

営業マン
営業マン
  • 暑い日も寒い日も、雨の日も風の日も、カブでの営業は大変。
  • 今月のノルマが未達になりそうだから、今日は休憩返上で仕事かな。
  • ノルマは結構大変だけど、こなしさえすれば割と自由。

これから就職する人も、今は内勤だけどこれから営業の現場に出る人も、どのような1日が待っているのか不安でもあり楽しみでもありますね。今回の記事では営業マンの1日がどのようなものか説明していきます。

移動手段は基本的にバイク

営業係になると、基本的にカブでの移動となります。支店に自動車があるから乗れるんじゃないか?と思っているそこのあなた、考えが甘いですよ。上司諸先輩方を出し抜いて、いきなり自動車に乗れるわけがありません。若造はカブです。

大まかですが、役職別の配車は次の通りです。

役職別移動手段一覧(参考)
  • 【役員・執行役員クラス】
    レクサスやクラウン等、上位高級車(セダン系)
  • 【部長・支店長・次長クラス】
    カローラ・プリウス等セダン系
  • 【支店長代理・係長クラス】
    軽自動車
  • 【平社員・役職なし】
    バイク(カブ・スクーター)
  • 【平社員・役職なし(店舗近隣担当・下位信金または農協)】
    自転車・徒歩

店舗が都心部に所在し自動車での営業が不向きなケースであれば支店長代理・係長クラスがバイク営業というところもありますし、金融機関別の財務力によっては移動手段にかけられるコストも異なってきますので、若干の待遇の良し悪しはあると思います。

また、上の表を見ても和えれば分かると思いますが、年功序列ではなく役職・立場で乗れる車種が変わってきます。定年間近でも平社員であれば、バイク営業です。自動車に乗りたければ、早く出世するのが良いでしょう。

バイク営業の大変さ

①天候に左右される

バイク営業は天候に左右されます。天候・春夏秋冬等に働きやすさは大きく左右されます。一般的に春と秋は過ごしやすいと言われますが、バイク営業をしていると本当に過ごしやすい時期は、1年間を通してせいぜい1~2週間程度でしょう。

まず、春夏秋冬共通事項として、雨天時は合羽を着てバイクを運転する必要があります。第一に濡れたマンホールの上は結構滑りますので、転倒しないようにご注意ください。

次に雨量ですが、霧雨程度であればそこまでストレスはありませんが、まあまあの雨が降っている時は結構なストレスです。移動時と接客時の間には合羽を着脱をするタイミングやバイクで走っていると、それなりの防雨対策をしても、髪の毛は濡れるし、スーツは濡れる、靴の中にも浸水してくる等、結構過酷です。

皆様の銀行に営業手当があると思いますが、この過酷な状況で1日当たりの手当の金額を考えると、がっかりするかもしれませんので考えない方が良いでしょう。雨の日には現場が止まる土方の方がまだよいと思える瞬間もあるので、心を無にして働いた方が良い時もあります。

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②春夏秋冬その時期ならではの大変さ

  • 気候は良いが、定期的な雨天対策は必要。
  • 花粉症持ちにはキツイ時期。

割と晴れる日が多く、夏に向けて暑くなると言えど爽やかな暑さである春は、雨の日を除けば一日過ごしやすい時期です。

  • 猛暑、熱中症対策が必要。バイクのサドル部分等、黒い部品は熱々になります。
  • 梅雨・ゲリラ豪雨・台風など、長く続く雨・激しい雨の対策が必要。
  • 雨合羽を着ると、じっとり蒸し暑い。

夏は暑さ対策が重要です。熱中症にならないよう、水分補給・塩分補給を欠かさず、少しでも体調異変を感じたら休憩してくださいね。

  • この時期の気候は春同様過ごしやすいです。
  • だんだん日が短く、そして寒くなる。

だんだん日が短くなり寒くなるとクリスマス・年末年始といったイベントが楽しみになる人もいれば、寂しさや虚しさを募らせる人もいます。体調面に気を付けましょう

  • 防寒具必須、とにかく寒い。隙間が無いように万全な対策をしましょう。
  • 雨天時は特にキツイ。防寒具は防水性を選びましょう。

こんな寒い日は営業活動を控えたいと考えがちですが、年度末に向け営業活動を強化しなければならない時期です。日も短く、朝夕は路面状況も悪いので、気を付けましょう。

バイク営業は早く卒業した方が良い

このようにバイク営業は天候や春夏秋冬によってそれぞれ大変さがあり、労働環境は結構過酷といえます。その過酷な労働環境で一通り外回りをして店舗に帰ってくると、今度は上司から当日の活動成果の確認やノルマの進捗について詰めが入ったり、内勤の方から伝票の起票方法がマズイだの融資稟議の文章がおかしいだのケチが入ります。

ほぼ1日中外回りをして、限られた時間の中で事務処理をして、本の空き時間に食事をして『俺は忙しいんじゃ!!』って思うこともざらにありますが、そんなこと知ったこっちゃありません。目標を達成するために管理をしている上司や、事務処理を正しい方向に是正している内勤の人が正しいのです。

このように外回りは肉体的にも精神的にも過酷な労働環境にあります。バイクが好きで周りに色々言われるのが好きという方は良いかもしれませんが、私の経験上、体が元気で働き盛りな20代・30代はまだしも、40代になってくると疲弊している人の割合は多くいます。

バイク営業を早く卒業するためには結果を残して出世するのみです。早く出世すれば若くても良い給料をもらうことができ、軽自動車で多少なりとも良い労働環境で仕事ができます。出世できなければ、定年間近でもバイク営業です。安い給料で体力が落ちた上に過酷な労度環境に耐えている人もいます。

どちらを選ぶかはあなた次第です。

ノルマが大変

別記事でも触れていますが、銀行が置かれている状況がゆえのノルマはかなり大変です。そして、年々求められる項目数や項目ごとのボリュームは増えています。

以前の銀行は、営業係がすべてのノルマを背負う風潮にありましたが、今の時代になって内勤者も含めた全員が営業をする方針にしている所が多くあります。

しかし、実績で飯を食う営業職にはなんだかんだ高いハードルが求められますし、全体の目標が未達となった時のしわ寄せは結局のところ営業係のところに来ます。

実績は毎年にリセットされる

銀行の店舗は本部から1年間の目標を言い渡され、それをクリアするために日々活動しています。なので、年間目標をクリアしても、また新年度では新たな目標が来ますので、それに向かってまた頑張る必要があります。

基本的に1年間でクリアされますが、そうとも言い切れない理由があり、次のことも覚悟しておかなければなりません。

  • 自分の目標をクリアしても他の人が目標未達である場合、その未達分をカバーするよう目標が上乗せされることがある。
  • 上乗せは店舗目標達成に向けた軌道修正。他の人の未達状況によっては、短期間で軌道修正できないケースもあるため、半年で見直されるケースもあれば1ヶ月で見直されるケースなど、期間は多岐に渡る
  • 本人含め店舗内全員が目標クリアしても、銀行全体としての目標が足りない場合、あるいは銀行全体が目標をクリアし、さらなる高い目標を追うことになった場合、修正目標を追うためのノルマ設定がされる場合がある。
  • 個人目標楽々クリアしたのに、目標追加とかダル…
  • しわ寄せの原因になっているあの人は何も気にせず仕事してそう

外回りになると数えきれない理不尽や不平不満に耐えることになると思いますが、そこは何とか自分の中でコントロールしましょう。すべて口に出していたら、人間関係は壊れ、長く勤めるであろう職場をあなた自身の手で働きにくいものに変えてしまいます。

楽しく営業をするコツ

いろいろ書きましたが、ガマンガマンでは毎日の仕事が辛く、下手したらメンタル参ってしまうんじゃないかとも思いますよね。ここで、銀行員ならではの息抜き方法を考えてみたいともいます。

喫茶店に行く

コーヒー一杯400円前後で飲むことができ、空調完備且つ雨風しのげる喫茶店は、営業手当の良い使い道の一つだと思います。

私個人の考えですが、喫茶店には毎日行く習慣付けをしても良いかと思います。息抜きや営業活動の戦略を考える時間としてお昼前後に30分程度確保すれば、午後も質の高い営業活動が行えると思います。

喫茶店に行く習慣付けをしていれば、他の人と比べ30分短い時間で仕事をこなしていることになります。一見大変そうに見えますが、『仕事の速さ』という能力に直結します。繁忙日には、日ごろから仕込んでおいた『仕事の速さ』に加え、普段喫茶店に充てている『30分』を仕事に充てることができるため、もはや鬼に金棒・無敵です。

営業仲間で飲み会を開催する

同じ店舗で営業係を担当していると、係内で結束力が生まれます。

  • 毎日過酷な労働環境を共にしている。
  • 店舗の目標という、共通した目標達成に向けて頑張っている。
  • 無理難題言ってくる上司の共通の被害者。

他にも色々ありますが、外回り同士良いことも悪いことも共にしている運命共同体のようなものであるため、そこには強い結束力が生まれます。

店舗営業室内ではお互いそこまで話し合うことは無くても、バイクの駐車場でばったり会ったら5分か10分は話し込んでしまいますよね。お互い運命共同体であることは確かですが、私が感じたことは『上司の共通の被害者』として分かち合えるものが大きいです。共通の敵を持つ間柄には、妙な結束力が生まれます。

とは言っても、上司も仕事だから心を鬼にして指示してくるのは分かっているので、お互い愚痴を吐いたらしょうがないから頑張るかという感じで気持ちを切り替えています。

営業係同士ならでは通じ合う仲なので、飲み会を拓くとそれはもう楽しいものです。私も銀行員時代を思い出すと、営業係同士の飲み会が一番楽しい想い出です。

営業係のメリット

上司の目を気にせず仕事ができる。

内勤職はの方は、店舗内に常に誰かしら上司がいる状況で仕事をしています。それが口うるさい・あるいは正確に難がある上司だったら嫌ですよね。営業係は良くも悪くも外に出ることができるので、いやな上司からも解放され、上司の目を気にせず仕事ができます。

上司の目を気にせず仕事をするということは、自分自身で責任感を持って仕事をしなければならないということです。何か問題が発生したとしても、基本的に初期対応は必要です。

プレッシャーに感じることもあるかもしれませんが、営業係に任命されるということは信頼されているということでもあります。外に一人で出したら何やらかすか分からないという人を営業には出せませんよね。営業係に任命されたら誇りと自信と責任感を持って仕事をやり遂げましょう。

出世のチャンスが大きい。

営業の仕事は仕事の成果を実績として確認しやすい特徴があります。しっかりと実績を挙げれば、その分評価する側も評価しやすく、出世に繋がりやすいです。

しっかりと自分の個人目標をこなしつつ、店舗全体としてのウイークポイントを補完する動きができていれば、あなたの社内での立場は盤石なものになるでしょう。

まとめ

いかがでしたか。今回は銀行の営業職にスポットライトを当てた内容でした。

大変なことの方が多いと思いますが、一番評価されやすいポジションでもあるので、しっかりと頑張ってください。

隼人パパ

元銀行員コンサルタント。
銀行員時代に培った金融知識と1000名以上の経営者と商談した経験を活かし、個々人のより良い生活はもちろん、企業をより良い場所にすることで、そこに属する従業員の幸福を実現するサポートをします。
≪資格≫ファイナンシャルプランナー、生保募集人資格・損保募集人資格、内部管理責任者 他

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